葛飾区の中古マンション(2025年) 平均成約価格:3,925万円/中央値:3,700万円/平米単価:58.5万円(坪単価193.3万円) 対象期間:2025年1〜12月|成約価格ベース|取引件数:582件|出典:国土交通省不動産情報ライブラリ「成約価格情報」|集計日:2026年7月20日
葛飾区のマンション成約価格は、2025年の中央値で3,700万円でした(582件、国土交通省不動産情報ライブラリ「成約価格情報」)。
ただし、区内で進んでいる変化には注意が必要です。
金町・立石・新小岩の3エリアでは、合わせて3,000戸を超える大規模なマンション再開発が同時に進んでいます(各地区再開発組合資料等による)。
それに対して、区全体の成約件数の伸びは、23区の中でもっとも鈍いという集計結果が出ています。
再開発は進んでいるのに、取引全体はそこまで活発になっていない……葛飾区のマンション市場はそういった状況です。
この記事では、その背景を分析しながら、町名別・面積別・築年数別に相場を分解し、再開発と取引の実態がなぜかみ合っていないのかを見ていきます。あわせて、自分の物件がいくらになりそうか計算する手順も解説します。
なお、東京23区全体のマンション価格については、以下の記事で解説しています。

この記事は「東京マンション売却編集部」が作成し、以下の監修者が内容を確認しています。
立石秀彦
宅地建物取引士/JSHI公認ホームインスペクター アップライト合同会社 代表
雑誌編集者として実業之日本社に勤務後、沖縄で不動産会社(沖縄かりゆし不動産)を約10年経営。現在はアップライト合同会社の代表として、関東・関西・沖縄の不動産会社と連携し、不動産関連データ分析および宅建業を運営。
葛飾区の成約価格は3,700万円(中央値)

2025年の葛飾区は、マンション成約582件、価格の中央値は3,700万円でした(国交省不動産情報ライブラリ登録件数)。平均は3,925万円で、平均が中央値をやや上回る程度(平均÷中央値1.061)に収まっています。極端に高い物件に平均が引っ張られることはなく、平均で見てもおおむね実態とズレない区といえそうです。
平米単価の中央値は58.5万円(坪単価では193.3万円)。23区の中では中位以下の、やや控えめな水準にあたります。
- 対象期間:2025年1〜12月
- 成約価格ベース(売出ではなく、実際に取引が成立した価格)
- 出典:国土交通省 不動産情報ライブラリ「成約価格情報」
売出価格と成約価格の違いを押さえる

マンションの価格情報には、大きく分けて2つの種類があります。ひとつは「売出価格」(売主が「この値段で売りたい」と提示した価格)。もうひとつは「成約価格」(実際に買い手がついて取引が成立した価格)です。この2つは、性質が異なるデータです。
不動産ポータルサイト等で見かける相場情報の多くは売出価格ベースであり、成約価格とは一致しません。売出価格は「希望額」であるため、実際の成約価格より高めに出る傾向があります。
葛飾区でも、この差ははっきり出ています。不動産ポータル系のデータでは、専有面積70㎡・築31年程度の物件で4,755万〜5,055万円という水準が示されることがありますが、これは売出(想定)価格です。国土交通省の成約価格情報にもとづく実際の中央値は3,700万円であり、両者を混同すると、相場を高く見積もりすぎることになります。
売出価格と成約価格の違いについては、以下の記事で詳しく解説しています。

葛飾区のマンション価格「3つの特徴」

葛飾区のマンションも価格が上昇していますが、しかし、23区内ではもっともゆるやかな伸び。区内には用途地域が準工業地域に指定されるエリアが多く、それも特徴となっています。
具体的に見ていきましょう。
用途地域によって価格が1.8倍違う
葛飾区は、区内の用途地域によって坪単価に1.79倍の差がついています(商業系エリアで坪単価254.3万円、住居専用エリアで141.7万円)。この差は23区でもっとも大きく、江東区(1.04倍)と比べると、用途地域による区内の価格差の大きさが際立ちます。
背景には、区の成り立ちが影響しています。葛飾区は大正時代、セルロイド加工の町工場が急速に増えた地域で、独立した職人たちが渋江・四つ木・東立石周辺に工場を構えたことから、住宅と小規模工場が近接する「準工業地域」が広い範囲に形成されました。現在も区内の準工業地域は750haを超え、用途地域全体の4分の1程度を占めています(葛飾区「街づくりと産業」統計、平成27年4月現在)。
そしてマンションの坪単価を見ると、この準工業地域が商業系エリアに次ぐ高さとなっています。
実際には様々な要因が絡み合って、マンションの価格が構成されているはずですが、用途地域に着目すると上記のような分析ができる点は押さえておいてよいでしょう。
成約件数は増えているが動きはまだ鈍い
葛飾区の成約件数は、2021年の492件から2025年には582件へと増えました。増加率は+18.3%ですが、これは23区でもっとも低い伸び率です。他の22区は36〜68%増えているなかで、葛飾区だけが20%を下回っています(23区1位は足立区の+67.9%)。
件数自体は増えているものの、他区に比べると市場の動きが鈍い状態が続いている、という状況です。
複数の大型再開発が進行中
葛飾区では現在、金町・立石・新小岩の3エリアで、合わせて3,000戸を超える大規模な市街地再開発が進行・完成しています。
金町エリアでは「クロス金町」の商業棟(東金町一丁目、Ⅰ期)が2025年7月に竣工済みで、続く住宅棟(Ⅱ期、900戸)が2026年8月に着工予定です。立石駅周辺では3つの再開発事業(合わせて1,800戸超)が2030年前後の完成を予定し、新小岩駅南口でも543戸のタワーマンションが計画されています。
これほどの規模の再開発が同時に進む区は、23区の中でも珍しい部類に入ります。この再開発と、先ほどの「成約件数の伸びが鈍い」という事実がどう結びつくのかは、このあとの章で詳しく見ていきます。
葛飾区のマンション価格推移(2021〜2025年)

条件をそろえて(2LDK・3LDK、専有面積55〜80㎡、築15〜30年)坪単価の推移を見ると、次のようになります。
| 年 | 件数 | 坪単価(万円) | 前年比 |
|---|---|---|---|
| 2021 | 125 | 150.3 | ― |
| 2022 | 102 | 161.4 | +7.4% |
| 2023 | 129 | 167.8 | +4.0% |
| 2024 | 122 | 184.2 | +9.7% |
| 2025 | 157 | 193.9 | +5.3% |
| 年 | 坪単価 | 前年比 |
|---|---|---|
| 2021 | 150.3万円 | ― |
| 2022 | 161.4万円 | +7.4% |
| 2023 | 167.8万円 | +4.0% |
| 2024 | 184.2万円 | +9.7% |
| 2025 | 193.9万円 | +5.3% |
5年間の累積では、+29.1%程度の上昇です(条件固定ベース)。毎年着実に上がってはいますが、2025年の伸び率+5.3%は、23区の中では穏やかな部類に入ります(2025年に千代田区+31.3%、渋谷区+20.4%など大きく上げた区がある一方、葛飾区はそこまでの急騰は起きていません)。
上昇のタイミングで見ると、葛飾区のマンション価格がもっとも大きく上昇したのは2024年(+9.7%)でした。港区(+17.9%)や荒川区(+16.0%)ほどではないものの、23区の中では2024年に大きく動いた区のひとつです。
町名別に見る葛飾区の相場

葛飾区は、駅や築年数よりも「町名」によって価格差が生まれやすい区です。
直近3年(2023〜2025年)のデータで町名別の坪単価中央値を見ると、次のようになります(各町名10件以上のデータがある地区のみ)。
| 町名 | 件数 | 坪単価中央値(万円) |
|---|---|---|
| 新小岩 | 36 | 289.0 |
| 亀有 | 70 | 236.1 |
| 東金町 | 52 | 235.8 |
| 金町 | 93 | 213.6 |
| 立石 | 54 | 202.5 |
| 青戸 | 73 | 187.3 |
| 堀切 | 57 | 168.3 |
| 柴又 | 42 | 150.5 |
| 水元 | 15 | 111.9 |
| 町名 | 坪単価中央値 |
|---|---|
| 新小岩(最高) | 289.0万円 |
| 水元(最安) | 111.9万円 |
もっとも高い新小岩と、もっとも低い水元とでは、坪単価に2.6倍ほどの開きがあります。ただし、この倍率自体は他区でも珍しくありません(23区のほとんどで町名・駅・築年のいずれかの軸で1.8〜3.8倍の差が出ます)。葛飾区の場合は「町名」がもっとも価格に影響している、という点を押さえておくと、自分の物件の相場を考えるときの手がかりになります。
新小岩・金町・立石は、いずれも先ほど触れた再開発エリアと重なります。再開発が進む町の坪単価が、区内でも中から上位に位置しています。
葛飾区マンションの面積・間取り別の相場

2025年の面積帯別(坪単価中央値・価格中央値)は次のとおりです。
| 面積帯 | 件数 | 坪単価中央値 | 価格中央値 |
|---|---|---|---|
| 〜40㎡ | 92 | 152.9万円 | 1,200万円 |
| 40〜50㎡ | 62 | 146.2万円 | 2,100万円 |
| 50〜60㎡ | 100 | 168.3万円 | 2,950万円 |
| 60〜70㎡ | 187 | 222.0万円 | 4,500万円 |
| 70〜80㎡ | 114 | 216.0万円 | 4,900万円 |
| 80㎡〜 | 27 | 201.8万円 | 5,800万円 |
葛飾区で成約件数がもっとも多いのは60〜70㎡帯(187件)で、坪単価も面積帯の中でもっとも高くなっています。ファミリー向けの3LDKが中心の間取りだといえるでしょう。
間取り別の価格中央値では、3LDKが4,500万円(263件)ともっとも取引が多く、2LDKが4,100万円(86件)で続きます。葛飾区の分譲マンションストックでは、居住世帯の約7割がファミリー世帯という行政調査もあり(葛飾区マンション管理適正化推進計画)、成約データの傾向とも方向性が一致しています。
築年数別の坪単価

直近3年(2023〜2025年)の築年帯別坪単価は、次のとおりです。
| 築年帯 | 件数 | 坪単価中央値 |
|---|---|---|
| 築10年以内 | 316 | 268.6万円 |
| 築11〜20年 | 346 | 222.2万円 |
| 築21〜30年 | 305 | 171.9万円 |
| 築31〜40年 | 290 | 137.0万円 |
| 築41年〜 | 170 | 126.2万円 |
築年が進むほど坪単価は下がりますが、築40年を超えても126万円程度の値がついている点は、区内に一定の実需があることを示しています。
2025年の成約における築年中央値は23年、築40年超の割合は14.3%です。葛飾区の分譲マンションストック全体(区の実態調査、2022年時点)でも築40年以上の割合は14.2%とほぼ同じ水準で、ストックの高経年化がそのまま成約物件の構成にも表れています。なお、区の推計では、この築40年超のストックは今後10年で件数ベース約3.1倍に増える見込みとされており、売却・管理を検討するタイミングは、しっかり考えておいたほうがいいでしょう。
葛飾区のマンション価格を左右する条件

葛飾区のデータで回帰分析を行うと(2LDK〜4LDK、面積40〜120㎡、築0〜60年、n=1,553、決定係数0.661)、価格に効いている条件は次のとおりです。
- 駅からの徒歩1分ごとに、坪単価は約2.05%下がる
- 築年数が1年進むごとに、坪単価は約1.92%下がる
- 面積が広くなるほど、坪単価はわずかに下がる(面積弾力-0.065)
徒歩1分の価値を築年数に換算すると、徒歩1分=築1.07年分に相当します。駅から1分離れた分譲マンションは、築年数が1年余分に古くなったのとほぼ同じだけ、坪単価が下がる計算です。
ここにあげた条件のほかに、葛飾区ならではの要因として、区内の用途地域(商業系か住居専用系か)と、進行中の再開発の有無が挙げられます。先ほど触れたとおり、新小岩・金町・立石といった再開発エリアの町は、区内でも坪単価の上位に位置しています。
また、堀切地区では2023年4月28日、防災対策を目的とした用途地域等の一括変更(約68.5ヘクタール)が告示・施行されました。老朽化した木造住宅密集地域を、より堅牢な共同住宅へ更新しやすくする狙いです。ただし、成約データを見る限り、この地区で築5年以内の物件が増える動きはまだわずかで、制度変更の効果が市場に表れるのはこれからと考えられます。
葛飾区のマンション価格は今後どう推移するか

ここまでの数字は2025年通年の確定値ですが、この章だけは2026年に入ってからの速報値で検討していきます。
東日本レインズが公表した2026年5月度の首都圏中古マンション市場(2026年6月10日発表)では、成約件数が前年同月比-3.4%と2か月連続で減少し、成約㎡単価も前年同月比-3.9%と、73か月ぶりに下落しました。長く続いた上昇局面に、ブレーキがかかり始めている可能性があります。
一方、東京カンテイが公表した2026年5月分の中古マンション70㎡換算価格(2026年6月23日発表)では、東京23区全体は前月比+1.0%の12,849万円と25か月連続で上昇しています。ただし、これは売出(希望)価格ベースの数字であり、都心部ではむしろ再び下落し、流通戸数・価格改定(値下げ)シェアともに上振れが続いていると報告されています。「成約」ベースでは減速の兆しが出始めている一方、「売出」ベースの23区平均はまだ上昇を保っている、という2つの指標のズレが出ている局面です。
葛飾区に固有の材料としては、金町・立石・新小岩の再開発が今後数年にわたって順次完成していきます。金町では2025年に一部が竣工済み、立石・新小岩は2030〜2032年ごろの完成が予定されています。新しい住宅の供給が続くこと自体は、区の資産価値にとってプラス材料ですが、供給が増えるタイミングでは既存の中古物件との競合も起こりえます。
首都圏全体で成約ベースの数字が減速し始めていることを踏まえると、右肩上がりの継続を前提にするのはリスクがあります。葛飾区はもともと成約件数の伸びが23区でもっとも緩やかな区であり、今後の動きにも慎重な見方をしておいたほうがよさそうです。
マンションを売る・持つ・貸すの判断基準

マンションを手放すかどうかは、価格だけで決めるものではありません。今後の資金計画、住み替え先の予定、賃貸に出した場合の収支など、複数の視点で比較する必要があります。葛飾区のように再開発が進むエリアでは、「今売るか」「完成を待つか」の判断も加わります。売却・保有・賃貸それぞれの判断基準は、以下の記事で詳しく解説しています。

自分のマンションの価格を調べる手順

ここまでの相場は、あくまで区全体・町名別・面積帯別の「傾向」です。自分の物件がいくらになりそうかを知るには、条件を絞り込んで確認する必要があります。
- 町名(地区名)を確認する(同じ葛飾区でも、新小岩と水元では坪単価に2倍以上の差があります)
- 専有面積と間取りを確認する
- 築年数を確認する
- 上記の条件でシミュレーターに入力し、目安の価格帯を確認する
区・面積・築年数の3項目を入力するだけで、目安の価格帯を確認できます。個人情報の入力は不要です。
→ マンション価格シミュレーター【リンク】(無料の匿名10秒査定)
査定額が不動産会社によって違う理由
同じ物件でも、不動産会社によって査定額が数百万円単位で違うことがあります。これは、査定の根拠にしているデータや、売却を急ぐ事情の有無などが会社ごとに異なるためです。査定額の違いを見極める方法については、以下の記事で詳しく解説しています。

売却後に手元に残る金額

マンションを売却しても、成約価格がそのまま手元に残るわけではありません。仲介手数料、印紙税、抵当権抹消費用(住宅ローンが残っている場合)、譲渡所得税(利益が出た場合)などを差し引く必要があります。
葛飾区の価格帯(中央値3,700万円前後)で概算すると、仲介手数料はおおむね120万円台から130万円台、印紙税は1万円程度、そのほかの諸費用を合わせると、諸経費の合計は成約価格の4%〜6%程度になるケースが多く見られます。実際の金額は、ローン残債や取得時の状況によって変わるため、あくまで目安としてください。
マンション売却 手取り額シミュレーター
まとめ|葛飾区では平均ではなく類似事例で判断する

葛飾区のマンション価格は、2025年の中央値で3,700万円でした。ただし、この数字だけを見て売り時・買い時を判断するのは早計です。
葛飾区では今、金町・立石・新小岩で3,000戸を超える再開発が進んでいますが、区全体の成約件数の伸びは23区でもっとも緩やかです。再開発エリアの町名(新小岩・金町・立石)は坪単価が区内上位に位置している一方、区全体としては、まだ市場の動きが本格化したとは言えない状態です。
これから売却を考える方は、「区の平均」ではなく、自分の町名・面積・築年数に近い類似事例で相場を確認することをおすすめします。特に、再開発エリアに近い物件かどうかで、今後の見え方は変わってきます。まずは条件を入力して、目安の価格帯を確認してみてください。
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より詳しい価格査定を希望されている場合は、以下のリンク先のフォームを利用してください。
マンションの場合は机上査定であってもかなり正確な査定額を出すことができます。また、私たちはしつこい営業などは一切行いませんので、じっくりとご検討ください。


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