目黒区のマンション相場は7,050万円|築年数が古くても値崩れしない理由とは?

目黒区の中古マンション(2025年) 平均成約価格:8,322万円/中央値:7,050万円/平米単価:139.7万円(坪単価461.7万円) 対象期間:2025年1〜12月|成約価格ベース|取引件数:676件|出典:国土交通省不動産情報ライブラリ「成約価格情報」|集計日:2026年7月25日

目黒区の中古マンションは、2025年の成約価格(実際に売買が成立した価格)の中央値が7,050万円でした[国土交通省不動産情報ライブラリ「成約価格情報」・2025年1〜12月・676件を自社集計]。

ただし、目黒区の場合は価格だけではなく、市場の特徴を押さえておく必要があります。

目黒区は、23区の中でもっともストックの古い区です。分譲マンションの3分の1が築40年を超えているのです(国交省不動産情報ライブラリ登録物件)。それでも坪単価は23区の中位より上に位置し、築年による値下がりのペースも他区よりゆるやかです。

「築年が古いものの、安いとはいえない」というのが目黒区の特徴です。この記事では、その理由を成約データと行政資料から掘り下げていきます。

なお、東京23区全体のマンション価格やトレンドについては、以下の記事で解説しています。

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立石秀彦

この記事は「東京マンション売却編集部」が作成し、以下の監修者が内容を確認しています。

立石秀彦

宅地建物取引士/JSHI公認ホームインスペクター アップライト合同会社 代表

雑誌編集者として実業之日本社に勤務後、沖縄で不動産会社(沖縄かりゆし不動産)を約10年経営。現在はアップライト合同会社の代表として、関東・関西・沖縄の不動産会社と連携し、不動産関連データ分析および宅建業を運営。

目次

目黒区の成約価格は7,050万円(中央値)

この記事で「価格」というときは、原則としてこの成約価格(実際に売買契約が成立した金額)を指します。売り出し中の掲載価格で分析する記事も多いのですが、それだとどうしても実態と1割前後の誤差が出てしまうからです。

成約価格を集計すると、平均が8,322万円、中央値が7,050万円で、平均のほうが約18%高くなっています。一部の高額な成約が平均を押し上げているためですが、しかし平均と中央値の差は23区の中では中位程度です(千代田区などでは平均が中央値の1.5倍を超えるという調査もあります)。

目黒区のマンション価格「3つの特徴」

目黒区の価格データを見ていくと、23区の中でもあまり例のない特徴が3つ浮かび上がります。いずれも「築年」と「価格」の関係にまつわるものです。

①目黒区のストックは23区でいちばん古い

2025年に成約したマンションの築年数を見ると、目黒区の中央値は28年でした。これは23区の中でもっとも高い数字です(もっとも新しいのは中央区の12年)。築40年を超える物件の割合も35.4%で、23区で最多です(中央区は10.6%)。

目黒区の住宅地は、駅から少し離れると低層の住宅街が広がっています。区の用途地域(建物の高さや大きさを制限する都市計画上のルール)は81.1%が住居系で、その中でも第一種低層住居専用地域が40.2%ともっとも広く指定されています(出典:目黒区「目黒区都市計画マスタープラン」2023年4月)。低層住居専用地域は高さの制限が厳しく、大規模なマンションを新しく建てにくい地域です。そのため区内でマンションを建てられる土地は、駅周辺や幹線道路沿いなどに集中しています。

実際、成約したマンションのうち住居専用系の用途地域にあるものは35.9%にとどまります。区全体の土地面積では8割が住居系なのに、実際に成約するマンションは、その中の一部に限られるということです。マンションを建てられる土地自体が少ない区、と言い換えてもいいでしょう。

この低層住宅地としての性格は、大正から昭和初期にかけてできあがったものです。当時、目黒周辺の地主たちが「耕地整理組合」という仕組みをつくり、道路や上下水道を自分たちで整備しながら、農地を計画的に宅地へと変えていきました。1923年の関東大震災のあと都心からの移住者が増えたことや、東急東横線・目黒線の開通が重なったことで、閑静な住宅地としての性格が定着したとされています(出典:東京都・目黒区の公表資料にもとづく)。100年近く前に形づくられた街の骨格が、いまも低層住宅中心の街並みという形で残っている、と見ることもできます。

②築古でも値崩れしにくい

築年数が古いほど値下がりするのは、どの区でも共通の傾向です。ただ、その値下がりの速さは区によって違います。

築年数・徒歩分・面積の3条件をそろえて統計的に計算すると、目黒区は築1年あたり坪単価が1.44%下がる計算になります。これは23区の中で3番目に遅いペースです(もっとも遅いのは墨田区の1.33%、もっとも速いのは江東区の2.07%)。値下がりが遅いぶん、築年数が古くなっても急に値崩れしにくい区だと言えます。

実際の数字でも確認できます。2023〜2025年の成約データ(50㎡以上)を築年帯別に見ると、築40年を超えても坪単価中央値は304.1万円でした。参考までに、江東区の同条件・築41年以上の坪単価中央値は192.8万円でした。「古いから安い」が、目黒区では単純に当てはまらないということです。

③ここ10年で新築供給が大幅に減少

目黒区の新築分譲マンションの供給戸数は、2013年の685戸をピークに減り続け、2021年には152戸にまで落ち込みました(出典:目黒区「マンションに関する現状と課題」2022年12月、国土交通省 住宅・土地統計調査ほか)。ピーク時から8割近く減っています。

この供給の減少は、成約データにも表れています。成約したマンションの築年数の中央値は、2021年は19年でしたが、2025年には28年になりました。5年間で9歳分、年を取ったことになります。単純に時間が5年進んだだけなら、上がるのは5歳分のはずです。それ以上のペースで築年数が上がっているということは、新しいマンションが市場に出てくる割合そのものが、年々減っているということを意味します。

低層住居専用地域が多く新規供給が減少している一方で、値崩れもゆっくりしたペース。これが目黒区の相場の特徴といえるでしょう。

目黒区のマンション価格推移(2021〜2025年)

2021年から2025年までの5年間、目黒区の成約価格がどう動いたかをまとめました(国土交通省不動産情報ライブラリのデータを当社集計)。

件数平均価格中央値平均面積坪単価中央値平均築年数
2021年504件6,469万円6,200万円59.5㎡346.6万円23.1年
2022年562件6,579万円6,500万円56.6㎡364.7万円23.7年
2023年552件7,282万円6,600万円59.4㎡383.5万円25.5年
2024年572件7,193万円6,500万円56.6㎡396.7万円28.0年
2025年676件8,322万円7,050万円56.2㎡433.6万円29.5年
中央値坪単価中央値
2021年6,200万円346.6万円
2022年6,500万円364.7万円
2023年6,600万円383.5万円
2024年6,500万円396.7万円
2025年7,050万円433.6万円

4年間で坪単価は約1.25倍になりました。2025年の成約件数は676件と、この5年でもっとも多くなっています。

条件(2LDK・3LDK、55〜80㎡、築15〜30年)をそろえて坪単価だけを比べても、2025年の前年比は+16.6%でした。区全体の見かけの上昇(平均価格の前年比+15.7%)と、条件をそろえた実勢価格(+16.6%)はほぼ同じ水準です。他区では、この2つの数字が大きくずれるケースがありますが(構成が変化しているため)、目黒区は数字がそのまま実感に近いという、23区の中では珍しいタイプの区でもあります。

直近の動きについては、東日本レインズが毎月公表する速報のほうが早く出ます。2026年5月度の速報では、首都圏の中古マンション成約㎡単価は前年同月比−3.9%と、2020年4月以来73カ月ぶりに下落へ転じました(参考:東日本レインズ「首都圏不動産流通市場の動向」2026年5月度)。長く続いた上昇局面に変化の兆しが出ている段階です。この点は後の章で改めて触れます。

駅で集計しても町名で集計しても価格に劇的な差はない

23区の他の区の記事では「駅で〇倍」「町名で〇倍」という差が大きな特徴になることがあります。目黒区はそいういうタイプの区ではありません。

直近3年(2023〜2025年)の成約データを町名別に見ると、坪単価がもっとも高いのは原町(557.3万円、17件)、もっとも低いのは洗足(267.2万円、20件)で、その差は2.1倍でした。駅別で見ても、もっとも高い駒場東大前(479.3万円)ともっとも低い洗足(242.4万円)の差は2.0倍です。23区全体で見ると、駅・町名の差は1.8〜3.8倍の範囲に収まる区がほとんどで、目黒区はその中でも差が少ないほうに入ります。

町名件数中央値坪単価中央値
原町17件7,100万円557.3万円
中目黒153件8,000万円472.3万円
下目黒283件8,000万円462.8万円
駒場26件8,600万円455.9万円
目黒148件7,150万円380.5万円
青葉台120件5,400万円382.4万円
自由が丘41件6,500万円344.7万円
八雲51件6,100万円338.8万円
柿の木坂38件4,900万円277.1万円
洗足20件4,200万円267.2万円
町名坪単価中央値
原町557.3万円
中目黒472.3万円
下目黒462.8万円
駒場455.9万円
目黒380.5万円
青葉台382.4万円
自由が丘344.7万円
八雲338.8万円
柿の木坂277.1万円
洗足267.2万円

「自由が丘」「中目黒」といった知名度の高いエリアが必ずしも最高値ではなく、下目黒や駒場といった、駅からやや離れた住宅地も上位に入っています。目黒区の価格を分けているのは、立地そのものより、前の章で見た築年数の要因のほうが大きい可能性があります。町名だけで判断せず、次の章の面積・間取り、そして築年数の影響とあわせて見ていくことをおすすめします。

目黒区マンションの面積・間取り別の相場

目黒区全体のマンションの成約価格を、面積帯ごとにまとめると次のようになります(直近3年)。

面積帯件数平均価格中央値平均㎡単価
〜45㎡637件3,865万円3,700万円109.5万円
45〜55㎡289件6,415万円6,000万円120.7万円
55〜65㎡337件8,798万円8,500万円142.4万円
65〜75㎡271件10,327万円10,000万円142.5万円
75〜85㎡131件11,809万円11,000万円144.0万円
85㎡〜135件15,799万円13,000万円142.3万円
面積帯中央値(価格)平均㎡単価
〜45㎡3,700万円109.5万円
45〜55㎡6,000万円120.7万円
55〜65㎡8,500万円142.4万円
65〜75㎡10,000万円142.5万円
75〜85㎡11,000万円144.0万円
85㎡〜13,000万円142.3万円

70㎡くらいの物件であれば、65〜75㎡の価格帯を目安にしてください。中央値で1億円程度です。㎡単価は55㎡を境に大きく上がり、それ以降はおおむね142〜144万円で横ばいです。目黒区では、極端に広い住戸だから割安・割高になる、という傾向はあまり見られません。

間取り別に見ると、次のようになります。

間取り件数平均価格中央値平均面積
1R156件2,979万円2,500万円29.2㎡
1K110件2,932万円2,600万円27.7㎡
1LDK400件6,124万円5,900万円47.5㎡
2LDK511件9,463万円8,900万円65.1㎡
3LDK277件12,205万円11,000万円82.3㎡
間取り中央値(価格)平均面積
1R2,500万円29.2㎡
1K2,600万円27.7㎡
1LDK5,900万円47.5㎡
2LDK8,900万円65.1㎡
3LDK11,000万円82.3㎡

面積が広がるにつれて、価格も面積にほぼ比例して上がっています。江東区や中野区のように、間取りによって総額が逆転するような現象は、目黒区では見られませんでした。この点も、価格が立地や間取りの特殊要因より、築年数という一本の軸で変動しやすい区であることを裏づけています。

築年数別の坪単価

ここまで見てきたとおり、目黒区の価格を左右する最大の要因は築年数です。5年刻みで見ていきます(2023〜2025年・50㎡以上が対象)。

築年帯件数坪単価中央値価格中央値前帯比
〜5年95件559.4万円1億1,000万円
6〜10年180件528.9万円1億1,000万円-5.5%
11〜15年169件528.9万円1億1,000万円0.0%
16〜20年82件445.8万円9,900万円-15.7%
21〜25年131件427.2万円9,000万円-4.2%
26〜30年117件442.5万円8,700万円+3.6%
31〜35年29件396.7万円1億1,000万円(参考値)-10.3%
36〜40年37件382.0万円8,600万円-3.7%
41年〜322件304.1万円5,600万円-20.4%
築年帯坪単価中央値前帯比
〜5年559.4万円
6〜10年528.9万円-5.5%
11〜15年528.9万円0.0%
16〜20年445.8万円-15.7%
21〜25年427.2万円-4.2%
26〜30年442.5万円+3.6%
31〜35年396.7万円-10.3%
36〜40年382.0万円-3.7%
41年〜304.1万円-20.4%

大きく変動する場所が2カ所あります。ひとつは築16〜20年(-15.7%)、もうひとつは築41年以降(-20.4%)です。逆に、築26〜30年の帯は前の帯(21〜25年)よりわずかに上がっており(+3.6%)、なだらかに下がり続けるわけではありません。

もっとも注目したいのは、築41年を超えても坪単価中央値が304.1万円だという点です(31〜35年の帯は件数が29件と少なめのため、参考値として見てください)。前の章で触れた江東区の同条件(築41年以上)は192.8万円でしたので、単純比較で1.6倍ほどの開きがあります。「マンションは築40年を超えたら大きく値崩れする」というイメージをお持ちの方も多いと思いますが、目黒区のデータで見る限り、そこまで単純な話ではありません。

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価格を左右する7つの条件

区・面積・築年数のほかにも、成約価格に影響する条件があります。目黒区は築年数の古い物件が多い区だからこそ、次の項目の重みが増します。

  1. 駅からの距離 … 目黒区では徒歩1分あたり坪単価が1.82%下がる計算になります。23区の中では特別に強い影響ではありませんが、無視できない水準です。
  2. 耐震性(新耐震・旧耐震) … 1981年6月以降に建築確認を受けた新耐震基準の物件かどうかは、買主の住宅ローン審査の通りやすさや、購入をためらう心理的なハードルに直結します。目黒区内の分譲マンションは、2018年時点で約2割が1980年以前の建築とされています(出典:目黒区、総務省「住宅・土地統計調査」2018年)。耐震診断の実施率は、対象となる物件でも半数に届いていません(2022年区アンケート、n=199)。売却前に、管理組合が診断結果を保管しているか確認しておくと安心です。
  3. 修繕積立金・長期修繕計画の有無 … 目黒区の2022年アンケートでは、長期修繕計画がない物件が22.1%、積立金不足を課題とする物件が20.6%でした。築年数が同じでも、この差が査定額に影響します。
  4. 管理組合の運営状況 … 役員の高齢化や担い手不足を課題として挙げる管理組合が少なくありません。管理状態は、築年数だけでは測れない資産価値の差になります。
  5. 建替え・敷地売却の見込み … 目黒区では「当面予定なし」が約8割を占めます(2022年区アンケート)。この…は全国共通の課題でもあります。
  6. 面積・間取り … 前の章のとおり、目黒区は面積に比例して価格が上がる区です。極端な逆転は起きにくいものの、面積帯をそろえた比較を行ったほうがいいでしょう。
  7. 売却の事情(相続・住み替えなど) … 目黒区は、分譲マンションの「家計を主に支える者」の42.6%が65歳以上という区でもあります(出典:目黒区、総務省「住宅・土地統計調査」2018年)。所有者の高齢化が進むにつれて、相続をきっかけに売却を検討するケースも増えていくと考えられます。

これらは一般的な傾向であり、個別の物件によって当てはまらないケースもあります。実際の価格は、これらの条件を組み合わせて総合的に決まります。

目黒区のマンション価格は今後どう推移するか

目黒区内でも再開発は進んでいますが、それがそのまま中古マンションの新規供給に直結するとは限りません。

たとえば自由が丘駅前で進む「自由が丘一丁目29番地区」の市街地再開発事業は、地上15階・地下3階、約170戸の住宅を計画していますが、その大半は賃貸住宅です(2026年内の完成が見込まれています)。中目黒駅前(上目黒一・二丁目)でも高度利用地区の指定にもとづく再開発が進みましたが、分譲・賃貸の複合形態です。目黒区内で再開発が進んでも、それが分譲マンションとして中古市場に出回る「新しい選択肢」の増加には、必ずしもつながらないという事情があります。前の章で見た「築年数が5年で9歳分進んだ」という現象の背景のひとつと考えられます。

制度面では、2022年12月に「下目黒一丁目地区地区計画」(地区ごとに建物のルールをきめ細かく定める都市計画の制度)の決定にあわせて用途地域が変更され、目黒駅西側の沿道商業地で不燃化と計画的な土地利用が進められています(出典:目黒区・東京都の都市計画公表資料、2022年12月)。ただし、こうした地区計画型の見直しは範囲が限定的で、区全体の供給を大きく増やすものではありません。

直近の市況については、東日本レインズの速報(2026年5月度)で、首都圏の中古マンション成約㎡単価が前年同月比−3.9%となり、2020年4月以来73カ月ぶりに下落しました。成約価格も前年同月比−4.6%の5,067万円、成約件数も同−3.4%の3,709件と、価格・取引量の両面で勢いが弱まっています(参考:東日本レインズ「首都圏不動産流通市場の動向」2026年5月度)。2026年6月度も成約件数は前年同月比−1.3%で3カ月連続の減少、4〜6月期の成約件数は前年同期比−2.0%と7四半期ぶりの減少でした。売り出し価格でも、東京カンテイの調査で東京23区の中古マンション価格(70㎡換算)が2026年6月度に前月比−0.8%となり、26カ月ぶりに下落しています(参考:東京カンテイ「中古マンション価格」2026年6月度)。

これらはあくまで首都圏・23区全体の速報値であり、目黒区単体の最新四半期はまだ確報として公表されていません(2026年7月時点)。ここまでの数字は2025年通年の確定値ですが、この章だけは2026年に入ってからの速報値という、2つの時間軸が混ざっている点にご注意ください。

長く続いた上昇局面に、変化の兆しが出始めているのは事実です。目黒区は新規供給が少なく、値崩れも遅い区ではありますが、「これまでのように右肩上がりで価格上昇が続く」という前提で判断するのは、リスクがあると筆者は考えます。

マンションを売る・持つ・貸すの判断基準

価格が分かったところで、次に考えたいのは「今売るべきか」です。

判断の軸になるのは、主に次の5点です。

  • 住宅ローンの残債(売却額で完済できるか)
  • 売却後に手元に残る金額(後の章で計算します)
  • 住み替え先の価格水準
  • 建物の築年数・大規模修繕の予定・耐震診断の実施状況
  • ご家族の予定(転勤・進学・介護・相続など)

目黒区では、相続をきっかけに売却を検討し始める方も少なくありません。親から譲り受けた築年数の古いマンションでも、この記事で見てきたとおり、目黒区は値崩れが比較的ゆるやかな区です。「古いから安いだろう」と決めつける前に、一度、類似事例で価格を確認することをおすすめします。

売却・保有・賃貸のどれを選ぶべきかは、価格だけでなく、これらの条件を組み合わせて決まります。判断基準を詳しくまとめた記事がありますので、あわせてご覧ください。

(参考)判断基準を詳しく:マンションは売却・保有・賃貸のどれを選ぶか

自分のマンションの価格を調べる手順

区全体の相場が分かっても、個別具体的なマンションの価格には当てはまりません。目黒区は町名や駅による差より、築年数による差のほうがずっと大きい区だからです。

自分の物件に近い価格を計算する手順は、次のとおりです。

  1. 類似の成約事例を3〜10件集める … 目黒区の場合、町名よりも築年帯の近い事例を優先してください。
  2. ㎡単価の中央値を出す … 平均ではなく中央値を使うと、極端な事例に引っ張られにくくなります。
  3. 築年数を補正する … 前の章の築年帯別の表を参考にしてください。ただし、目黒区は値下がりが緩やかな区なので、他区の相場感で「築古だから大幅減額」と補正しすぎないよう注意してください。
  4. 管理状態を確認する … 長期修繕計画の有無、修繕積立金の水準、耐震診断の実施状況は、同じ築年数でも価格差を生みます。
  5. 売出価格ではなく、成約可能価格として考える … 査定額や売出価格ではなく、実際に売れる水準を意識します。

これを手作業でやろうとすると、それなりに手間がかかります。そこで、区・面積・築年数の3項目を入力するだけで、個人情報の入力なしに概算価格を確認できるシミュレーターをサイトのトップページに用意しています。国土交通省 不動産情報ライブラリのデータをもとに、宅建士が監修しています。

匿名の23区マンション10秒査定シミュレーション

なお、シミュレーションの元になっている国土交通省のデータは、面積が5㎡刻みで公表されています。「70㎡」という数字も、実際には67.5〜72.5㎡の物件が混ざっているということです。そのため、シミュレーション結果は目安としてご利用ください。階数や向き、リフォームの有無によって、実際の価格は変わります。

査定額が不動産会社によって違う理由

複数の不動産会社に査定を依頼すると、数百万円から、時には1,000万円以上の差が出ることがあります。目黒区のように築年数の古い物件が多い区では、比較事例の選び方ひとつで査定額が大きく変動しやすい傾向があります。

高い査定額を提示されたときに確認しておきたいポイントは、次のとおりです。

  • 類似の成約事例が示されているか(売出事例だけで計算していないか)
  • 築年数が近い事例で比較されているか(目黒区は築年数の影響が特に大きいため)
  • 査定価格と、実際に売れそうな価格が分けて説明されているか
  • 複数社の査定額に差がある場合、その理由を担当者が説明できるか

査定額が高いこと自体は悪いことではありませんが、「売り出してみたものの反響がなく、結局値下げすることになった」というケースは珍しくありません。査定額の検証方法をまとめた記事もあわせてご確認ください。

(参考)査定額の確認方法を詳しく:マンション査定額の検証方法

売却後に手元に残る金額

価格が分かっても、その金額がそのまま手元に残るわけではありません。売却には諸費用と税金がかかります。

一般的にかかる費用の目安は、次のとおりです(物件や条件によって変わります)。

  • 仲介手数料:成約価格の3%+6万円+消費税(成約価格400万円超の場合の速算式)
  • 抵当権抹消登記費用:数万円程度
  • 印紙税:数千円〜数万円程度(契約金額による)
  • 譲渡所得税・住民税:売却益(譲渡所得)が出た場合にかかる

税率は所有期間によって大きく変わります。一般的に、所有期間が5年を超える「長期譲渡」であれば税率は約20.315%、5年以内の「短期譲渡」では約39.63%になるケースが多いとされています。マイホームを売った場合は、条件を満たせば譲渡所得から3,000万円を控除できる特例が使えることもあります。目黒区は相続で受け継いだ物件も少なくないと考えられますが、相続した物件を売る場合は、被相続人の取得費・取得時期をそのまま引き継ぐルールがあるため、取得費が分からない古い物件では、取得費の証明が譲渡所得税の金額を左右することもあります。

目黒区の成約価格の中央値(7,050万円)を例に、ごく簡易な試算をしてみます。実際の手取り額は物件ごとに大きく異なるため、あくまでイメージとしてご覧ください。

項目金額・内容
目安売却価格7,050万円
仲介手数料の目安(3%+6万円+消費税)約239万円
その他諸費用(登記・印紙等)数万円〜十数万円程度
譲渡所得税・住民税売却益と所有期間、取得費の把握状況、控除の適用によって大きく変動

正確な手取り額は、購入時(または相続時)の価格(取得費)や所有期間、特例の適用可否によって変わります。税務については、税理士や、査定担当者への確認をおすすめします。

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    物件所在地(市区町村まで)(必須)

    面積(㎡・任意)

    築年数(任意)

    備考(任意)

    まとめ|目黒区では平均ではなく類似事例で判断する

    目黒区の中古マンションは、2025年の成約価格の中央値が7,050万円でした。ただし、この数字はあくまで区全体の目安です。

    目黒区は23区でもっともストックの古い区で、取引される物件のうち築40年超の建物が3分の1を占めます。それでも値崩れのペースは23区の中で3番目に遅く、築41年を超える物件でも坪単価中央値は300万円を上回りました。低層住居専用地域が多く新規供給が少ないことが、この構造の背景にあります。「古いから安い」という思い込みだけで、ご自宅やご検討中の物件の価格を判断すると、実際の価格と大きくずれる可能性があります。

    大切なのは、次の2段階で確認することです。

    1. まずは個人情報なしで、区・面積・築年数から概算価格を計算する
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    クラシエステート株式会社とアップライト合同会社が運営する「東京マンション売却」の編集部です。データに基づいた分析を、わかりやすい記事にまとめています。

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