北区のマンション相場は5,000万円(中央値)|子育て世帯を呼び込む区の実力とは

北区の中古マンション(2025年) 平均成約価格:5,263万円/中央値:5,000万円/平米単価:約89.6万円(坪単価264.5万円) 対象期間:2025年1〜12月|成約価格ベース|取引件数:585件|出典:国土交通省 不動産情報ライブラリ「成約価格情報」|集計日:2026年7月21日

東京都北区の中古マンションは、2025年の成約価格(実際に売買が成立した価格)の中央値が5,000万円でした[国土交通省 不動産情報ライブラリ「成約価格情報」・2025年1〜12月・585件を自社集計]。

また、国土交通省不動産情報ライブラリのデータを分析すると、北区は2023〜2024年の2年間、価格がほぼ横ばいの状態でした。23区の中でもこれだけ長く足踏みしたのは北区だけです。ところが2025年、坪単価は前年比+9.1%で反発しています。

なぜそのような価格動向となったのかを見ていくと、今後北区のマンション価格がどう動くかを推測する手がかりになります。

この記事では、成約価格の実データをもとに、北区の相場・推移・そして売却時の手取り額まで整理しました。

なお、東京23区全体のマンション価格・価格動向については、以下の記事で解説しています。

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立石秀彦

この記事は「東京マンション売却編集部」が作成し、以下の監修者が内容を確認しています。

立石秀彦

宅地建物取引士/JSHI公認ホームインスペクター アップライト合同会社 代表

雑誌編集者として実業之日本社に勤務後、沖縄で不動産会社(沖縄かりゆし不動産)を約10年経営。現在はアップライト合同会社の代表として、関東・関西・沖縄の不動産会社と連携し、不動産関連データ分析および宅建業を運営。

目次

北区の成約価格は5,000万円(中央値)

この記事で「価格」というときは、原則としてこの成約価格(実際に売買契約が成立した金額)を指します。売り出し中の掲載価格ではありません。理由は次の章で説明しますが、成約価格のほうが正確に実態を表すからです。

成約価格を集計すると、平均が5,263万円、中央値が5,000万円で、その差は5.3%です。突出して高い物件に平均が引っ張られる度合いは、23区の中では中程度と考えられます。面積の中央値はおよそ60㎡なので、2LDK〜3LDKのファミリー向け住戸が相場の中心です。

売出価格と成約価格の違いを押さえる

「北区 マンション価格」で検索すると、サイトによって数字が大幅に違います。理由のひとつは、掲載している数字の性質が違うことにあります。

  • 売出価格:売り主が「この値段で売りたい」と設定した金額(成約するとは限らない)
  • 成約価格:実際に買い主がついて、契約が成立した金額

それに加えて、集計データの性格による違いも小さくありません。

編集部で北区の成約価格情報(2,192件)と、国が別に公表している不動産取引価格情報(登記データをもとにしたアンケート集計)を並べて集計したところ、次のような差が出ました(2021〜2025年の5年計)。

成約価格情報不動産取引価格情報
件数(2021〜2025年計)2,192件2,322件
平均価格4,797万円3,622万円
平均面積59.1㎡42.2㎡
坪単価中央値260.1万円304.1万円
1R・1K・1DKのシェア15.2%43.2%

同じ北区、同じ国の統計なのに、平均価格に約1,175万円の差があります。理由は母集団のちがいです。取引価格情報のほうは投資用ワンルームを多く含み、平均面積は42.2㎡(成約価格情報は59.1㎡)しかありません。面積が小さいほど坪単価は高く出るため、総額は安いのに坪単価は逆転する、というねじれも起きています。

条件を揃えると差はどこまで縮まるか

間取り・面積・築年を3LDK・60〜75㎡・築20〜30年に揃えて2025年の成約事例だけで再集計すると、成約価格情報の中央値は5,400万円(48件)、不動産取引価格情報の中央値は5,900万円(29件)でした。

件数が少なく参考値の域を出ませんが、条件を揃えると、その差は小さくなりました。北区のファミリータイプ物件の相場は、5000万円台中〜後半と考えていいでしょう。

プロの不動産業者はこのように「成約価格」のデータを使っており、売出価格(売り希望価格)で相場を見てしまうと、不動産会社の査定価格とズレが生じる原因になります。この記事では、国土交通省不動産情報ライブラリの成約価格情報をベースに、できるだけ正確な比較になるように留意しました。

(参考)売出価格と成約価格の違いをさらに詳しく:売出価格と成約価格の違い

北区のマンション価格「3つの特徴」

北区の価格データを年次推移・エリア別・ストックの築年数の3方向から見ると、他の区にはあまり見られない特徴が3つ浮かび上がります。

①2023〜2024年、23区で唯一「2年連続の停滞」

間取り(2LDK・3LDK)、面積(55〜80㎡)、築年数(15〜30年)をそろえて坪単価の前年比を見ると、次のようになります。

坪単価前年比
2021年207.8万円
2022年244.1万円+17.5%
2023年244.1万円0.0%
2024年242.4万円-0.7%
2025年264.5万円+9.1%

2022年に+17.5%上げたあと、2023年は0.0%、2024年は-0.7%と、2年間ほぼ完全に価格が止まりました。これほど長く足踏みしたのは、23区の中でも北区だけです。その後2025年に+9.1%で反発しています。

このような価格推移の背景には、地価と成約価格のタイムラグがあったと考えられます。北区の地価公示は2024年に+5.39%、2025年には+7.58%と、むしろ上昇のペースを上げていました(参考:地価公示)。地価は上がっているのに、マンションの成約価格はしばらく追いついていませんでした。

ちょうどこの時期、十条駅西口では大規模な再開発が進んでいました。新築・再開発側の価格がまず動き、既存の中古ストックの成約価格は後から追いついてきた、という順番だった可能性があります。

そこから、中長期では赤羽地区の再開発も北区のマンション価格の下支え要因になり得るでしょう。一方で、首都圏全体では価格上昇率が鈍化しており、2025年のような反発が毎年続くとは限りません。

②町名によって坪単価が3倍以上違う

町名別に坪単価を比べると、北区でもっとも高いのは上十条(519.5万円)、もっとも低いのは赤羽台(152.1万円)でした。その差は3.4倍です。詳しくは次章で解説します。

③ストックが若く築10年以内が23区で2位

北区のマンションストックは、築年数の中央値が18年です。築10年以内の割合は32.3%で、23区の中で2位。「昔ながらの下町」というイメージとは裏腹に、実際のストックはかなり若い部類に入ります。この背景には、区が力を入れている子育て支援策があると編集部では考えています。詳しくは記事後半で解説します。

北区のマンション価格推移(2021〜2025年)

今回自社で集計を行ったのは2021年第1四半期から2025年第4四半期までの5年分です。

件数平均価格平均面積平均築年数
2021年369件4,024万円58.2㎡18.1年
2022年387件4,447万円59.2㎡18.5年
2023年387件4,939万円60.7㎡17.1年
2024年464件4,999万円60.0㎡19.3年
2025年585件5,263万円57.8㎡21.1年
件数平均価格
2021年369件4,024万円
2022年387件4,447万円
2023年387件4,939万円
2024年464件4,999万円
2025年585件5,263万円

5年間で坪単価(条件固定)は約1.27倍(+27.3%)になりました。前章で触れたとおり、2023〜2024年は足踏みしましたが、5年間のトレンドで見れば価格は上昇しています。件数も369件から585件へ、5年で約1.6倍に増えています。

町名別に見ると坪単価3.4倍の差

北区は、23区の中でも町名(地区)による価格差が比較的大きい区の一つです。直近3年の成約データ(2023〜2025年、2LDK以上、50㎡以上、各町10件以上のサンプル)で、坪単価中央値の高い町・低い町を並べました。

町名坪単価中央値件数
上十条519.5万円25件
中里377.8万円20件
堀船368.4万円57件
王子339.4万円94件
赤羽南325.1万円29件
赤羽322.3万円36件
西ケ原321.1万円37件
滝野川301.2万円121件
赤羽西295.3万円33件
志茂272.2万円97件
神谷268.9万円40件
赤羽北238.0万円63件
浮間229.2万円107件
豊島224.3万円68件
東十条220.4万円40件
赤羽台152.1万円10件
町名坪単価中央値
上十条519.5万円
堀船368.4万円
王子339.4万円
赤羽322.3万円
滝野川301.2万円
志茂272.2万円
浮間229.2万円
東十条220.4万円
赤羽台152.1万円

出典:国土交通省 不動産情報ライブラリ「成約価格情報」を編集部で集計(2023〜2025年、北区)

特に価格が高い上十条では再開発が進行中です。十条駅西口地区の再開発で、2024年9月に「ザ・タワー十条」(地上39階・総戸数578戸、北区内では1995年以降で最高層クラス)が竣工しました。低層部には商業施設や区の公益施設も入る、駅前一帯の大規模プロジェクトです(参考:東京都都市整備局・北区役所公表資料)。

一方、もっとも坪単価が低い赤羽台は、UR赤羽台団地をはじめとする大規模な公共住宅団地が広がるエリアです(サンプル10件と少なく、参考値として見てください)。同じ北区でも、駅前の再開発が進むエリアと、既存の団地が中心のエリアとで、価格帯が分かれる形になりました。

区全体の平均5,263万円を、いきなり自分の物件に当てはめないほうがいいのは、こういった理由によります。まずは町名レベルで具体的な事例を探すことが、マンション価格を確実に把握することにつながります。

北区マンションの面積・間取り別の相場

北区全体のマンションの成約価格を、面積帯ごとにまとめると次のようになります(直近3年)。

面積帯件数平均価格中央値坪単価中央値
〜40㎡303件2,695万円2,500万円283.4万円
40〜60㎡418件4,429万円4,400万円264.5万円
60〜80㎡632件6,359万円6,100万円282.1万円
80㎡〜83件7,510万円7,200万円261.0万円
面積帯中央値(価格)坪単価中央値
〜40㎡2,500万円283.4万円
40〜60㎡4,400万円264.5万円
60〜80㎡6,100万円282.1万円
80㎡〜7,200万円261.0万円

練馬区や江東区など多くの区では60〜80㎡帯がもっとも坪単価が高くなる傾向がありますが、北区は少し違います。単身・カップル向けの40㎡未満(283.4万円)と、ファミリー向けの60〜80㎡(282.1万円)が、ほぼ同水準です。これは投資用のコンパクトマンション需要が一定数あり、面積が小さい住戸でも坪単価が下がりにくいことを示しています。一方、80㎡以上になると坪単価はやや下がります。広めの住戸は総額が上がりやすく、買える層が限られるため、坪単価では割安に出る傾向があるためと考えられます。

築年数別に見た坪単価

次に、築年数と坪単価の関係を、5年刻みで集計しました(2023〜2025年・50㎡以上のファミリー向け物件が対象)。

築年帯件数坪単価中央値価格中央値前帯比
〜5年166件342.8万円6,700万円
6〜10年210件325.1万円6,800万円-5.2%
11〜15年130件308.5万円6,050万円-5.1%
16〜20年143件261.0万円5,600万円-15.4%
21〜25年104件257.3万円5,400万円-1.4%
26〜30年96件237.5万円4,650万円-7.7%
31〜35年32件227.0万円5,100万円-4.4%
36〜40年58件218.2万円4,100万円-3.9%
41年〜124件171.9万円3,100万円-21.2%
築年帯坪単価中央値前帯比
〜5年342.8万円
6〜10年325.1万円-5.2%
11〜15年308.5万円-5.1%
16〜20年261.0万円-15.4%
21〜25年257.3万円-1.4%
26〜30年237.5万円-7.7%
31〜35年227.0万円-4.4%
36〜40年218.2万円-3.9%
41年〜171.9万円-21.2%

築が古くなると価格がなだらかに下がるのではなく、段差があるのが分かります。もっとも大きな下げ幅は2箇所ありました。

ひとつは築16〜20年、もうひとつは築41年以降の築年帯です。築16〜20年での落ち込みは、住宅ローン控除など税制上の優遇(築年数要件)から外れる境目にかかっていることが影響していると見られます。築41年以降は1981年6月の新耐震基準の境目に近く、住宅ローンの通りやすさや耐震性への不安が価格に影響している可能性があります。「築20年を超えたら急に安くなる」というイメージをお持ちの方もいますが、北区のデータで見る限り、そこまで単純な話ではありません。

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価格を左右する7つの条件

区・面積・築年数のほかにも、成約価格に影響する条件があります。

  1. 町名・エリア … 上十条と赤羽台で坪単価3.4倍。再開発が進む駅前か、既存の団地エリアかで相場感が大きく変わります。
  2. 最寄駅と路線 … JR京浜東北線・埼京線が使える王子・赤羽・十条周辺と、都営三田線沿線などで沿線価値が異なります。
  3. 駅からの距離 … 北区の成約データでは、駅から徒歩1分遠くなるごとに坪単価がおよそ2.2%下がる計算になります(築年数がおよそ1.5年進むのと同程度の影響)。
  4. 専有面積 … 40㎡未満と60〜80㎡帯の坪単価がほぼ同水準という、他区とは異なる特徴があります。
  5. 築年数・耐震基準 … 築16〜20年、築41年〜に段差。1981年6月の新耐震基準の境目が特に影響します。
  6. 管理状態・修繕積立金 … 同じ築年数でも、管理組合の運営状況で価格に差が出ます。国のデータには含まれない項目なので、個別に確認が必要です。
  7. 再開発・都市計画の進捗 … 十条駅西口は2024年10月に竣工済み、赤羽一丁目地区は2029年6月竣工予定。進捗度合いによって、価格への織り込まれ方が違います。

これらは一般的な傾向であり、個別の物件によって当てはまらないケースもあります。実際の価格は、これらの条件を組み合わせて総合的に決まることになります。

子育て世帯を呼び込む条件が揃う

総務省の令和5年度住宅・土地統計調査によると、北区では35〜44歳の子育て世帯の72%が持ち家に住んでおり、これは東京23区で最も高い水準です。千代田区の35%、港区の42%と比べると、北区では30代後半から40代前半の子育て世帯が持ち家に住み、定住する傾向が強いことがうかがえます。

そこから、北区の子育て世帯はマンションや一戸建ての住宅を、他の区よりも購入している可能性が高いと考えられます。もちろん、この点は推測です。

推測ではあるのですが、①北区のマンション単価は比較的安く買い求めやすいこと、②北区の子育て支援策が背景にあること、などが理由として考えられます。

たとえば、北区では「親子住まいる応援事業」として登記費用を最大20万円助成したり、フラット35の金利を5年間0.5%引き下げる支援策もあります(フラット35地域連携型)。その他にも、阻トク制限なしで学校給食を無償化しています(小学生約14,000人、中学生約4,800人が対象。年間予算は約11億2,000万円)。高校生の入院医療費助成も、23区の中では早い平成23年から実施してきました(北区公式資料による)。

こういった条件が揃うことで、若い子育て世帯が北区のマンションを選んでいるのだと考えられます。

赤羽・十条、下町からタワーへ

北区といえば、赤羽の飲み屋街や十条の商店街を思い浮かべる方も多いはずです。これは今も北区の顔のひとつで、下町らしい雰囲気は健在です。

一方で、この数年、駅前の風景は大きく変わりました。前章の町名別データで見た「上十条の突出した高さ」は、この変化そのものです。

この再開発の背景には、北区特有の歴史があります。北区は戦前、陸軍・海軍の軍用地として区の面積の約1割を占められていました(この割合は23区の中で最も高いとされています)。戦後、これらの土地は公有地として引き継がれ、まとまった敷地のまま再開発の対象になりやすかった、という経緯があります(参考:北区・東京都都市整備局の公表資料)。

実際、区内の分譲マンションの分布を見ても、王子東・滝野川西エリアに棟数が集中している一方、浮間・王子西エリアは供給が少ないというデータがあります(北区「分譲マンション実態調査」令和4年実施)。エリアによる供給量の差も、価格差の一因と考えられます。

北区のマンション価格は今後どう推移するか

東日本レインズの月例速報(2026年5月度・首都圏全体)では、中古マンションの成約件数が前年同月比-3.4%(2ヵ月連続の減少)、成約坪単価も266.6万円で前年同月比-3.9%と、2020年4月以来73ヵ月ぶりに下落しました。在庫件数は前年同月比+3.4%と、3ヵ月連続で増えています(参考:東日本レインズ「首都圏不動産流通市場の動向」2026年5月度)。

東京23区に限定した集計でも、2026年5月の成約㎡単価の上昇率は前年比+2.0%程度まで鈍化したとする集計があり、それまで続いていた大幅な伸びからは明らかに減速しています(参考:東日本レインズのデータをもとにした市況解説記事)。上昇そのものは70ヵ月以上連続していますが、伸び幅は減少しています。

また北区に関しては、再開発の進捗が今後の価格動向に影響を及ぼす可能性があります。

十条駅西口地区は2024年10月に竣工済みですが、赤羽一丁目第一地区の再開発は2029年6月竣工予定で、総戸数約269戸の分譲棟を含みます(参考:東京都都市整備局公表資料)。また、JR埼京線十条駅付近の連続立体交差事業は令和13年3月までの事業期間で、6箇所の踏切除却が計画されています(参考:北区・東京都公表資料)。これらは長期の都市基盤整備であり、短期的な価格変動の材料として見るのは早計ですが、中長期的には駅前エリアの価値を下支えする要因になり得ます。

これらはあくまで首都圏全体・北区の都市計画に関する情報であり、北区単体の最新四半期の成約データはまだ確報として公表されていません(2026年7月時点)。本記事のH2-1〜H2-7の数字は2025年通年の確定値、この章だけは2026年に入ってからの速報値という、2つの時間軸が混在する点にご注意ください。

いずれにしても、金利の動向、在庫の増減、再開発の進み具合は、北区の価格を占ううえで引き続き注目すべき要素です。価格の予測を断定することはできませんが、「これまでのように右肩上がりが続く」という前提だけで判断するのは、リスクがあると編集部では考えています。

マンションを売る・持つ・貸すの判断基準

価格が分かったところで、次に考えたいのは「今売るべきか」です。

判断の軸になるのは、主に次の5点です。

  • 住宅ローンの残債(売却額で完済できるか)
  • 売却後に手元に残る金額(後の章で計算します)
  • 住み替え先の価格水準
  • 建物の築年数・大規模修繕の予定
  • ご家族の予定(転勤・進学・介護など)

売却・保有・賃貸のどれを選ぶべきかは、価格だけでなく、これらの条件を組み合わせて決まります。判断基準を詳しくまとめた記事がありますので、あわせてご覧ください。

(参考)判断基準を詳しく:マンションは売却・保有・賃貸のどれを選ぶか

自分のマンションの価格を調べる手順

区全体の相場が分かっても、個別具体的なマンションの価格には当てはまりません。ここまで見てきたとおり、北区は町名によって坪単価が3倍以上変わる区だからです。

自分の物件に近い価格を計算する手順は、次のとおりです。

  1. 近い成約事例を3〜10件集める … 同じ町名の事例を優先します。
  2. ㎡単価の中央値を出す … 平均ではなく中央値を使うと、極端な事例に引っ張られにくくなります。
  3. 築年数を補正する … 築年帯別の表を参考に、築年数が近い事例を優先してください。
  4. 面積帯をそろえる … 40㎡未満/40〜60㎡/60〜80㎡/80㎡以上のどの帯に該当するか確認します。
  5. 売出価格ではなく、成約可能価格として考える … 査定額や売出価格ではなく、実際に売れる水準を意識します。

これを手作業でやろうとすると、それなりに手間がかかります。そこで、区・面積・築年数の3項目を入力するだけで、個人情報の入力なしに概算価格を確認できるシミュレーターをサイトのトップページに用意しています。国土交通省 不動産情報ライブラリのデータをもとに、宅建士が監修しています。

なお、シミュレーションの元になっている国土交通省のデータは、面積が5㎡刻みで公表されています。「70㎡」という数字も、実際には67.5〜72.5㎡の物件が混ざっているということです。そのため、シミュレーション結果はあくまで目安としてご利用ください。階数や向き、リフォームの有無によって、実際の価格は変わります。

査定額が不動産会社によって違う理由

複数の不動産会社に査定を依頼すると、数百万円から、時には1,000万円以上の差が出ることがあります。

高い査定額を提示されたときに確認しておきたいポイントは、次のとおりです。

  • 類似の成約事例が示されているか(売出事例だけで計算していないか)
  • 高い査定額の根拠が具体的に説明されているか
  • 査定価格と、実際に売れそうな価格が分けて説明されているか
  • 複数社の査定額に差がある場合、その理由を担当者が説明できるか

北区は、前の章で見たとおり町名による価格差が大きい区です。査定する会社が、どの町名・どの築年帯の事例を根拠にしているかによって、査定額の幅はさらに広がりやすくなります。査定額が高いこと自体は悪いことではありませんが、「売り出してみたものの反響がなく、結局値下げすることになった」というケースは珍しくありません。査定額の検証方法をまとめた記事もあわせてご確認ください。

(参考)査定額の確認方法を詳しく:マンション査定額の検証方法

売却後に手元に残る金額

価格が分かっても、その金額がそのまま手元に残るわけではありません。売却には諸費用と税金がかかります。

一般的にかかる費用の目安は、次のとおりです(物件や条件によって変わります)。

  • 仲介手数料:成約価格の3%+6万円+消費税(成約価格400万円超の場合の速算式)
  • 抵当権抹消登記費用:数万円程度
  • 印紙税:数千円〜数万円程度(契約金額による)
  • 譲渡所得税・住民税:売却益(譲渡所得)が出た場合にかかる

税率は所有期間によって大きく変わります。一般的に、所有期間が5年を超える「長期譲渡」であれば税率は約20.315%、5年以内の「短期譲渡」では約39.63%になるケースが多いとされています。マイホームを売った場合は、条件を満たせば譲渡所得から3,000万円を控除できる特例が使えることもあります。

北区の成約価格の中央値(5,000万円)を例に、ごく簡易な試算をしてみます。実際の手取り額は物件ごとに大きく異なるため、あくまでイメージとしてご覧ください。

項目金額・内容
目安売却価格5,000万円
仲介手数料の目安(3%+6万円+消費税)約171万円
その他諸費用(登記・印紙等)数万円〜十数万円程度
譲渡所得税・住民税売却益と所有期間、控除の適用によって大きく変動

正確な手取り額は、購入時の価格(取得費)や所有期間、特例の適用可否によって変わります。税務については、税理士や、査定担当者への確認をおすすめします。

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    築年数(任意)

    備考(任意)

    まとめ|北区は「町名」と「時期」で相場が変わる区

    北区の中古マンションは、2025年の成約価格の中央値が5,000万円でした。ただし、この数字はあくまで区全体の目安です。

    2023〜2024年は23区の中で唯一、2年連続で価格が止まりましたが、2025年には反発しました。町名によって坪単価は3.4倍差があり、再開発が進む上十条と、既存団地エリアとで市況がはっきり分かれています。区全体の平均を、ご自宅やご検討中の物件にそのまま当てはめると、実際の価格と大きくずれる可能性があります。

    そして北区は、23区の中でも際立った子育て支援策を持つ区です。ファミリー世帯転居費用助成(最大30万円)や、所得制限なしの給食費無償化など、他の区にはあまり見られない制度が整っています。その結果として、区内のマンションストックは築10年以内が32.3%と、23区の中で2位という若さを保っています。下町の雰囲気を残しながら、子育て世帯を本気で呼び込もうとしていることが北区の特徴といえるでしょう。

    相場推定について、大切なのは次の2段階で確認することです。

    1. まずは個人情報なしで、区・面積・築年数から概算価格を計算する
    2. 気になる数字が出たら、根拠付きの無料査定で具体的な金額を確認する

    「まず自分で確かめたい」という方は、10秒でできる、匿名のマンション査定シミュレーターからお試しください。

    参考・出典
    – 国土交通省 不動産情報ライブラリ「成約価格情報」「不動産取引価格情報」(2021〜2025年、北区)
    – 北区「北区分譲マンション実態調査【概要版】」(令和4年実施)
    – 北区・東京都都市整備局 公表資料(十条駅西口地区・赤羽一丁目第一地区 各市街地再開発事業)
    – 地価公示(北区)
    – 東日本不動産流通機構(東日本レインズ)「首都圏不動産流通市場の動向」2026年5月度

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    クラシエステート株式会社とアップライト合同会社が運営する「東京マンション売却」の編集部です。データに基づいた分析を、わかりやすい記事にまとめています。

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