港区の中古マンション価格相場1億5,499万円を分析。平均値では読みきれない実態とは?

港区の中古マンション、2025年の成約価格は平均1億5,499万円でした(国土交通省 不動産情報ライブラリ「成約価格情報」、2025年1〜12月・1,557件)。

ただ、この数字がそのまま具体的な物件に当てはまるわけではありません。

港区は町名によって坪単価が3倍以上違います。築年数による下落幅も大きく、平均だけを見ると実際の相場から外れてしまう可能性もあります。

そこで、この記事では港区の価格を町名・面積・築年数の3つの軸に分けて、ご自身のマンションに近い数字を確認する方法までお伝えします。

なお、東京23区全体を分析した記事もあります。

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この記事の基本データ

港区の中古マンション平均成約価格:15,499万円/中央値:11,000万円/平米単価:220.6万円
対象期間:2025年1〜12月|成約価格ベース|取引件数:1,557件|出典:国土交通省 不動産情報ライブラリ「成約価格情報」|集計日:2026年7月16日

立石秀彦

この記事は「東京マンション売却編集部」が作成し、以下の監修者が内容を確認しています。

立石秀彦

宅地建物取引士/JSHI公認ホームインスペクター アップライト合同会社 代表

雑誌編集者として実業之日本社に勤務後、沖縄で不動産会社(沖縄かりゆし不動産)を約10年経営。現在はアップライト合同会社の代表として、関東・関西・沖縄の不動産会社と連携し、不動産関連データ分析および宅建業を運営。

目次

港区の成約価格は平均1億5,499万円だが…

港区で2025年に成約したマンションの価格を集計すると、平均は1億5,499万円でした。

出典は国土交通省の不動産情報ライブラリ「成約価格情報」です。指定流通機構(レインズ)が保有する成約情報を、個別の取引が特定できない形に加工して公表しているデータで、実際に売買が成立した価格を反映しています(売り出し中の希望価格よりも実態を正確に表す数字)。

対象は2025年1〜12月に成約した1,557件です。この件数は東京23区の中でも多いほうで、平均としての信頼性は十分にあります。

ただし、ここで見ておきたいのは平均と中央値の差です。

同じ2025年のデータで中央値を出すと、1億1,000万円になります。平均のほうが4,500万円ほど高く出ています。

つまり、港区には数億円クラスの取引が一定数あるということです。こうした取引は平均を押し上げます。そのため、港区においては、中央値(金額順に並べたときの真ん中の1件)のほうが、実感に近い相場を表しています。

特定の物件に近い価格を知りたい場合は、この平均をそのまま当てはめず、この後の町名別・面積別・築年数別の数字(H2-3〜7)を見てください。

売出価格と成約価格では数値が異なる

「港区 マンション価格」で検索すると、サイトによって数字が大幅に違います。

理由は「今売りに出されている価格」と「実際に売れた価格」を、どちらも「相場」と呼んでいるからです(詳しくは[売出価格と成約価格の違い]を参照してください)。

売り出し中の価格は、売主が「このくらいで売れてほしい」と設定した希望額です。価格交渉が入りますから、実際の成約価格はそれより低くなるのが通常です。

港区が含まれる「都心6区」(千代田・中央・港・新宿・渋谷・文京)の売り希望価格を見ると、東京カンテイの調査で70㎡換算1億8,748万円(2026年5月時点、前月比0.4%下落)でした。ここ数ヵ月は在庫が積み上がり、値下げの動きも広がっています。

一方、実際に成約した価格はどうでしょうか。

東日本レインズの月次データでは、東京都区部(23区全体)の成約㎡単価は131.15万円(2026年6月度、前年比+1.5%)でした。

ここで注意したいのは、どちらも港区だけの数字ではないということです。都心6区の売出価格は6区の平均、東京都区部の成約単価は23区の平均です。このふたつの統計には、港区だけを取り出した数字は出てきません。

そこで本記事では、港区の成約価格情報だけを集計しました(H2-1で示した2025年平均1億5,499万円・中央値1億1,000万円)。同じ「港区の相場」という言葉でも、どの数字を指しているかで金額が大きく変わります。売買の判断に使うなら、実際に売れた価格(成約価格)を基準にしてください。

港区における成約価格の推移

件数平均価格中央値坪単価(平均)坪単価(中央値)平均面積平均築年数
20211,0648,965万円7,500万円442.2万円407.3万円62.3㎡20.1年
20221,19610,466万円8,400万円502.6万円450.8万円62.7㎡20.0年
20231,26810,336万円8,900万円519.0万円477.5万円61.3㎡21.5年
20241,19811,618万円9,000万円588.2万円536.7万円58.7㎡22.6年
20251,55715,499万円11,000万円729.2万円622.3万円61.5㎡24.1年
件数平均価格中央値
20211,0648,965万円7,500万円
20221,19610,466万円8,400万円
20231,26810,336万円8,900万円
20241,19811,618万円9,000万円
20251,55715,499万円11,000万円

港区の平均価格は実態より大きく見えている

2025年、港区の成約価格は平均で前年より33.4%上がりました。ただし、同じ条件(2LDK・3LDK/55〜80㎡/築15〜30年)に絞って坪単価を比べると、上昇率は16.7%です。平均だけを見ると、実際の値上がり幅の約2倍に見えていることになります。

理由は、2億円以上の取引が急に増えたことです。

港区の成約全体に占める2億円以上の割合は、2023年8.9%→2024年12.2%→2025年25.8%と、2年で3倍近くまで増えました。5億円以上の取引も2025年は3.9%あります(2023年は0.6%)。港区は元々、高額帯の取引が一定数ある区ですが、2025年はその比率そのものが跳ね上がった年でした。

2億円以上の取引を除いて平均を出し直すと、8,809万円になります。全体平均の15,499万円から、6,700万円ほど下がることになります。港区の「典型的なマンション価格」は、全体平均が示すほど高くありません。

同じことは、平均と中央値の差にも表れています。この差(平均÷中央値)は、2023年1.16→2024年1.29→2025年1.41と、年々開いています。港区は「平均ではつかみにくくなってきている区」だと言えます。

もうひとつ、町名による差も大きい区です。町名別に坪単価を比べると、最高値と最安値で3.46倍の開きがあります(浜松町と海岸)。ただし、この差をそのまま「町の格差」と読むのは正確ではありません。浜松町の取引は、建築年が2019年と2024〜2025年の物件にほぼ集中しています。つまり、町全体が高いのではなく、特定の新しい大規模物件への取引集中が数字を押し上げています。

港区の価格を見るときは、平均・町名・築年数のどれか1つだけを見ると、実態から外れやすくなります。この後の章で、面積別・町名別・築年数別に分けて確認していきます。

港区における過去5年の価格推移

港区マンションの坪単価は、この5年でおよそ1.7倍になりました(条件固定ベース、2021年388.4万円→2025年661.2万円)。

ここでの「条件固定ベース」とは、2LDK・3LDK・55〜80㎡・築15〜30年に絞った坪単価中央値です。H2-3で触れたとおり、港区は高額帯の取引が年によって増減するため、全体の平均をそのまま並べると振れ幅が実態より大きく出ます。年ごとの物件構成をそろえたこの数字のほうが、値動きの実感に近くなっています。

坪単価中央値(条件固定)前年比
2021388.4万円
2022407.7万円+5.0%
2023483.2万円+18.5%
2024566.7万円+17.3%
2025661.2万円+16.7%

2022年から毎年15〜18%程度のペースで上がり続けています。踊り場らしい動きはこの5年間にありませんでした。

一方、港区全体の平均価格をそのまま並べると、少し違う形に見えます。

平均価格前年比
20218,965万円
202210,466万円+16.7%
202310,336万円-1.2%
202411,618万円+12.4%
202515,499万円+33.4%

2023年のみ平均価格が前年より下がっています。ただし、これは本来的な意味での値下がりとは言い切れません。

2023年は2億円以上の取引が全体の8.9%で、前年(11.5%)より少なかった年でした。高額帯の取引が一時的に減り、平均を押し下げたことが理由です。条件固定ベースで見ると、2023年も+18.5%と上昇しています。

5年累計で見ると、条件固定ベースは+70.2%、全体平均は+72.9%とほぼ近い水準に収れんします。ただ、途中の年ごとの動き方はまったく違います。そこで港区の価格を語るときは、どちらの数字を見ているかを区別する必要があります。

なお、この5年間で平均築年数は20.1年から24.1年まで、4年ぶん古くなっています。同じ物件が値上がりしているだけでなく、取引される物件の築年齢構成自体も変わってきている、という点は付け加えておきます。

港区は町名別の価格差が大きい

港区は、町名によって坪単価が3.46倍まで開きます(2023〜2025年の成約実績、2LDK・3LDK・4LDK・3DK、50㎡以上、各町10件以上のデータで算出)。

順位町名坪単価中央値取引件数
1浜松町1,652.9万円36
2麻布台1,234.2万円11
3虎ノ門1,065.2万円41
4元麻布938.0万円30
5六本木881.5万円65
6赤坂868.9万円96
7東新橋840.0万円24
8白金810.9万円164
9三田771.3万円139
10東麻布738.4万円12
11西麻布708.6万円38
12南青山708.4万円81
13麻布十番692.6万円17
14南麻布640.5万円102
15624.4万円69
16高輪624.4万円157
17芝浦583.4万円320
18白金台563.1万円66
19台場544.5万円13
20港南503.7万円283
21海岸477.8万円38

対象となるマンションが麻布・赤坂・白金・三田あたりであれば、坪700万〜900万円台が目安になります(ただし築年数による)。芝浦・港南・海岸・台場エリアは、坪500万円前後が中心です。

最上位の浜松町だけは、少し補足が必要です。この地区は近年の大規模タワー物件の取引が集中し、それが中央値を押し上げています。周辺の三田・東新橋と比べて数字が突出しているのはそのためです。

中古マンションの売却相場を見るという用途では、浜松町の数字をそのまま参照すべきではないでしょう。本来は周辺エリアに近い水準になるはずです。

また、町名は目安であって、それだけで金額が確定するわけではありません。同じ町の中でも、面積・築年数・駅からの距離で坪単価は変わります(H2-6・H2-7で扱います)。まずは自分のマンションがある町の水準を、この表で確認してください。

間取り・面積別の相場

港区の坪単価は、面積が大きくなるほど上がる傾向にあります。一般的には「小さい部屋ほど坪単価が高い」と言われますが、港区の実データではその逆になっています。

面積帯件数価格中央値坪単価中央値平均築年数
〜40㎡8713,000万円374.7万円29.2年
40〜60㎡9957,300万円495.9万円25.7年
60〜80㎡1,19312,000万円606.1万円18.9年
80〜100㎡67217,000万円626.4万円17.8年
100㎡以上29233,000万円905.3万円22.0年

(2023〜2025年、成約価格情報、n=4,023)

理由は次のように推測できます。

港区では、面積帯によって平均築年数がバラバラです。40㎡未満の平均築年数は29.2年と最も古く、60〜80㎡は18.9年と最も新しくなっています。「小さいから高い」のではなく、「小さい部屋には古い物件が多い」ため、結果として坪単価が低く出ている、と見ていいでしょう。

間取り別に見ても、同じ傾向が確認できます。

間取り件数価格中央値坪単価中央値平均面積平均築年数
1R4432,500万円322.3万円28.0㎡37.0年
1K3733,400万円421.5万円27.5㎡20.4年
1DK1114,000万円377.8万円34.4㎡31.2年
1LDK9248,300万円534.9万円52.3㎡23.0年
2LDK1,27614,000万円661.2万円73.4㎡17.9年
3LDK54417,000万円661.2万円92.9㎡18.2年
4LDK1318,000万円609.0万円116.2㎡29.5年 (参考値・件数少)

1Rと1Kは、面積はほぼ同じ(28㎡前後)でも、坪単価に100万円ほどの差があります。平均築年数が1Rは37.0年、1Kは20.4年と、17年近く違うためです。

検討対象のマンションが1R・1DKなど小型で築古の場合は、慎重に検討したほうがいいでしょう。

港区における築年数別の平米単価

築年数による価格差は港区でも大きく、新築〜築5年と築36〜40年を比べると、平米単価で2.53倍の開きがあります。

築年帯件数価格中央値平米単価中央値坪単価中央値平均面積
〜5年27320,000万円275.0万円909.1万円76.3㎡
6〜10年30616,000万円218.2万円721.3万円75.0㎡
11〜15年22517,000万円242.9万円802.8万円75.7㎡
16〜20年52914,000万円175.0万円578.5万円83.4㎡
21〜25年17515,000万円200.0万円661.2万円85.7㎡
26〜30年6412,500万円183.3万円606.1万円73.4㎡
31〜35年1020,500万円175.8万円581.2万円138.0㎡(参考値・件数少)
36〜40年237,600万円108.6万円358.9万円92.8㎡
41年〜2278,000万円116.4万円384.7万円77.4㎡
築年帯価格中央値平米単価中央値平均面積
〜5年20,000万円275.0万円76.3㎡
6〜10年16,000万円218.2万円75.0㎡
11〜15年17,000万円242.9万円75.7㎡
16〜20年14,000万円175.0万円83.4㎡
21〜25年15,000万円200.0万円85.7㎡
26〜30年12,500万円183.3万円73.4㎡
31〜35年20,500万円175.8万円138.0㎡(参考値・件数少)
36〜40年7,600万円108.6万円92.8㎡
41年〜8,000万円116.4万円77.4㎡

(2023〜2025年、成約価格情報、2LDK・3LDK・4LDK・3DK・50㎡以上、n=1,832)

全体としては「新しいほど高い」という傾向どおりですが、きれいな一直線ではありません。11〜15年の物件が、6〜10年より平米単価が高くなっています。21〜25年も、16〜20年より高く出ています。港区では、築年数が単価を決める唯一の要因ではなく、立地や建物のグレードが影響して順番が入れ替わることがあります。

築41年以上は、36〜40年より平米単価が上がっています。麻布・赤坂など好立地の低層マンションには根強い需要があり、一律に「古いから安い」と言い切るのは危険です。

ここまで、町名・面積・築年数と3つの軸で見てきました。ただ、実際の物件は、この3つの条件が組み合わさって初めて価格が決まります。ご所有マンションに近い条件で、実際にいくらになるかを確認したい場合は、下のシミュレーターをお使いください。

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港区のマンション価格を左右する7つの条件

これまで見てきた内容を含め、港区のマンション価格を左右する主な条件を7つにまとめます。

1. 町名(立地)

 町名だけで坪単価は最大3.46倍違います(H2-5)。浜松町のように、特定の新築タワーへの取引集中で数字が押し上げられている町もあるため、町名だけでなく建物の築年も合わせて見る必要があります。

2. 最寄駅・駅からの距離

駅名で2.80倍、徒歩分数で1.80倍の差があります(H2-5関連データ)。同じ町でも、駅近と駅遠で単価は変わります。

3. 築年数

新築〜築5年と築36〜40年で、平米単価は2.53倍違います(H2-7)。ただし一直線には下がらず、途中に段差があります。

4. 面積・間取り

港区は「小さい部屋ほど高い」という一般的な傾向が当てはまりません。面積帯ごとの平均築年数が違うためです(H2-6)。

5. 新耐震・旧耐震基準

1981年6月以降に建築確認を取った物件(新耐震基準)は、一般的に売却時の評価がつきやすいと言われています。ご自身の建物がどちらかは、区役所や都庁、管理組合の資料などで確認できます。

6. 管理状態・修繕積立金

築年数が同じでも、修繕履歴や積立金の残高で査定額は変わります。修繕積立金が不足している物件は、買主のローン審査に影響することがあります。

7. 建物のグレード(タワマンか低層かなど)

同じ町・同じ築年数でも、タワーマンションと低層マンションでは単価が違います。港区は両方が混在するエリアが多く、この違いが同一町内での価格差の一因になっています。

港区のマンション価格は今後どうなるか

港区の価格が今後も上がり続けるかどうかは、断定できません。上昇要因と下落要因、どちらの材料もあるからです。

上昇要因

東京都区部全体の成約㎡単価は、2026年6月度で131.15万円/㎡(前年比+1.5%)でした。これで74ヶ月連続の上昇です(東日本レインズ「月例速報Market Watch」)。港区自体も、2021年から2025年まで一貫して坪単価が上がり続けています(H2-4)。虎ノ門・麻布台エリアの再開発など、供給側の話題も続いています。

下落要因

一方、直近の動きには変化の兆しもあります。東京カンテイの調査では、港区を含む都心6区の売り希望価格が2026年5月時点で1億8,748万円(70㎡換算)となり、前月比0.4%の下落でした。これは2ヶ月ぶりの下落です。在庫の積み上がりと、値下げの動きの拡大が理由として挙げられています。

また、東京都区部全体の成約件数は、2026年6月度で1,716件と、前年比12.8%減っています。単価が上がる一方で、取引そのものは減っている状態です。

まとめると

「値段は上がっているが、動きが鈍くなっている」というのが、2026年半ば時点の状況です。この状態がそのまま続くのか、反転するのかは、今後数ヵ月のデータを見ないと判断できません。売却のタイミングを考えている場合は、この記事の数字だけで決めず、直近の類似成約事例(H2-11で解説)とあわせて確認することをおすすめします。

自分のマンションの価格を調べる手順

ここまで、町名・面積・築年数の3つの軸で港区の価格を見てきました。ご自身のマンションに近い数字は、この3つを組み合わせれば、より正確に絞り込めます。

その組み合わせを自動で計算するのが、このサイトのトップにある「23区マンション査定シミュレーター」です。

使い方は簡単です。

  1. 区を選ぶ(港区)
  2. 面積を入力する
  3. 築年数を入力する

この3つを入れると、国土交通省 不動産情報ライブラリのデータをもとに、条件に近い成約価格の目安が表示されます。個人情報の入力は不要です。宅建士が監修しているので、この記事で見てきた数字と同じ考え方で計算されています。

23区内マンション10秒査定シミュレーション(完全匿名)

一点、注意があります。シミュレーターは「区」単位での算出です。この記事のH2-5で見た「町名」までは反映されません。浜松町と海岸で3.46倍差があったように、同じ港区でも町名によって実際の価格は上下します。シミュレーターの数字は、あくまで「港区全体で見た目安」として使い、町名の違いはこの記事のH2-5と合わせて確認してください。

面積は5㎡刻みで公表された国交省データをもとにしているため、表示される数字にも同程度の誤差が生じます。「だいたいこのくらい」という目安として使ってください。

より正確な金額を知りたい場合は、このあと(H2-13直後)で紹介する机上査定にお進みください。こちらは、成約事例をもとに、担当者が個別に確認したうえで金額を出します。

査定額が不動産会社によって違う理由

複数の不動産会社に査定を依頼すると、金額が数百万円、時には数千万円違うことがあります。理由は、査定の出し方が会社によって違うためです(詳しくは[マンション査定額の検証方法]を参照してください)。

簡易査定は、周辺の成約事例をもとに試算する金額です。一方、訪問査定は、実際に部屋の状態、眺望、管理状態を確認したうえで出す金額で、簡易査定より精度は上がりますが、会社ごとの判断も入ります。

なかには、媒介契約を取るために、あえて相場より高い金額を提示する会社もあります。とりあえず高い金額で仲介を受託しておき、契約後に「反応が悪いので値下げしましょう」と提案するパターンです。

査定額を受け取ったら、次の点を確認してください。

  • 類似の成約事例が示されているか(この記事のH2-5〜7の数字と照らし合わせられます)
  • その金額が売出価格の想定か、成約価格の想定か(H2-2で触れた違いです)
  • 査定の根拠が具体的に説明されているか(「相場だから」だけでは根拠になりません)
  • 想定売却期間が示されているか(期間が短すぎる高値査定は、後で値下げにつながりやすい傾向があります)

港区は、H2-3で見たとおり、2025年の成約のうち2億円以上が25.8%を占める区です。高額帯の取引が一定数あるため、査定額に幅が出やすい構造があります。

マンションを売る・持つ・貸すの判断基準

ここまでの数字を踏まえて、次に考えるのは「売る」「持ち続ける」「貸す」のどれを選ぶかです。

港区は、H2-9で見たとおり、成約単価の上昇が続く一方で取引件数が減り始めている局面です。値上がりを待って持ち続けるか、動きがあるうちに売るかは、築年数や町名によっても判断が変わります。

賃貸に出す場合は、港区は賃貸需要が安定しているエリアが多い一方、管理費・修繕積立金・空室リスクを含めた収支計算が必要です。

判断基準の詳しい整理は、別記事にまとめる予定です。

マンション売却後に手元に残る金額

港区は価格帯の幅が大きい区です。H2-3で見たとおり、2025年の成約のうち、1億円未満が44.5%(中央値5,000万円)、1億円以上が55.5%(中央値1億9,000万円)と、二つの層に分かれています。ここでは、その両方の目安になる価格帯で、手元に残る金額の考え方を示します。

売却価格から差し引かれる主なものは、次の3つです。

1. 仲介手数料

上限は「売却価格×3%+6万円」に消費税を加えた金額です。

売却価格仲介手数料(税込・上限目安)
5,000万円約172万円
1億1,000万円約370万円
2億円約667万円

2. 譲渡所得税

売却価格から取得費(購入時の価格や諸費用)と譲渡費用を差し引いた「譲渡所得」に対してかかります。マイホームの売却であれば、譲渡所得から3,000万円を差し引ける特別控除があり、多くのケースで税額がゼロ、または大きく減ります。

税率は、所有期間が5年を超える場合(長期譲渡)で20.315%、5年以下(短期譲渡)で39.63%が一般的です。ただし、取得費が分かる書類(購入時の契約書など)が残っているかどうかで、課税対象になる金額が大きく変わります。書類が見当たらない場合、概算取得費(売却価格の5%)で計算せざるを得ないケースもあり、その分税額が高くなりがちです。

3. 住宅ローンの残債

売却価格から一括返済する必要があります。残債が売却価格を上回る場合(オーバーローン)は、自己資金での補填か、金融機関との調整が必要になります。

港区のように価格帯が高い区では、仲介手数料・税金とも金額が大きくなりやすい分、事前の試算が特に重要です。取得費の書類の有無、所有期間、住宅ローンの残債状況によって手取り額は大きく変わるため、正確な金額は税理士や不動産会社に確認することをおすすめします。

より詳しい金額を知りたい場合は、下記の机上査定フォームからご相談ください。

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    手元に残る金額の計算方法を詳しくご案内できます。また、しつこい営業などは一切ありませんので、安心してご利用ください。

    まとめ「港区のマンションは高額取引の影響を受けている」

    港区の2025年成約価格は、平均1億5,499万円でした。ただし、この数字をその個別具体的な物件に当てはめることはできません。

    理由は3つあります。

    平均は、2億円以上の高額取引が増えたことで押し上げられています(H2-3)。町名によって坪単価は最大3.46倍違います(H2-5)。同じ面積・間取りでも、築年数によって単価は2.53倍変わります(H2-7)。

    ご自身のマンションに近い価格を知るには、町名・面積・築年数の3つを、この記事で示した数字に当てはめて確認してください。より具体的な金額は、シミュレーター(H2-11)または机上査定(H2-13)でご確認いただけます。

    港区は、値上がりが続く一方で、直近は取引の動きが鈍くなっている局面でもあります(H2-9)。売却のタイミングを考えている場合は、最新の成約事例と合わせて判断することをおすすめします。

    以下のリンクから「10秒でわかる簡易査定」も利用できます。さらに詳しい査定も無料でお出ししています。

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