住宅ローン金利を取り巻く環境が、大きく変わっています。
日本銀行は2026年6月、政策金利を1.0%程度へ引き上げました。さらに2026年9月1日には、10年物国債利回りが一時3%に到達。長期金利の上昇は、固定金利型の住宅ローンにも影響を与えています。
変動金利も例外ではありません。政策金利の引き上げを受け、金融機関では住宅ローンの基準金利を引き上げる動きが続いています。
こうなると気になるのが、「変動金利と固定金利のどちらを選べばいいのか」という問題です。
しかし、これから住宅を購入する方にとって、金利タイプ以上に重要なことがあります。
自分はいくらまで住宅ローンを借りられるのか。そして、金利が上がっても無理なく返済できる金額はいくらなのか。
まずはそこから出発するのが安全です。
本記事では、2026年9月現在の住宅ローン金利を整理したうえで、これから住宅ローンを選ぶ際の考え方を解説します。
本稿は宅建士資格を保有するアップライト合同会社の立石秀彦が制作しました。最新情報へのアップデートにはChatGPT5.6を使用しました。
高市政権下で住宅ローン金利は実際にどう変わった?

高市政権発足当初は、金融緩和的な政策が長く続くのではないかという見方もありました。
しかし、実際には日本銀行による金利正常化が進んでいます。
日本銀行は2025年12月に政策金利を0.75%程度へ引き上げ、2026年6月にはさらに1.0%程度へ引き上げました。
2026年9月2日現在も、無担保コールレート(オーバーナイト物)を1.0%程度で推移させることが金融市場調節方針となっています。
高市総理自身も2026年7月の記者会見で、経済が成長すれば金利も上昇していくことがあるとの認識を示しています。
したがって現在は、「高市政権だから低金利が続く」と単純に考えられる状況ではありません。
長期金利は一時3%まで上昇
とくに大きく動いているのが長期金利です。
2026年9月1日には、住宅ローンの固定金利にも影響する10年物国債利回りが一時3%に到達しました。
固定金利は、日銀の政策金利だけで決まるわけではありません。長期国債の利回りや市場参加者の金利見通しなどを反映して動きます。
そのため、日銀が次の利上げを行う前であっても、長期金利の上昇を受けて住宅ローンの固定金利が上がることがあります。
2026年9月、住宅ローン金利はどこまで上がっている?

実際の住宅ローン金利にも、金利上昇の影響が現れています。
たとえば三菱UFJ銀行では、2026年9月の新規借り入れについて、変動金利の適用金利を年1.195%、固定10年を年3.63%としています。全期間固定31~35年では年4.30%です。
もちろん、実際に適用される金利は金融機関、借入条件、審査結果、団体信用生命保険の内容などによって異なります。
重要なのは、かつてのように「変動金利0%台、固定金利2%前後」を当然の前提として住宅購入を考える時期ではなくなったということです。
住宅価格そのものも高い水準にあります。物件価格だけではなく、住宅ローン金利を含めた総返済額を見ながら予算を決める必要があります。
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これから住宅ローン金利はどうなる?

ここからさらに金利が上昇するのか。それとも、現在の水準でいったん落ち着くのか。
これを正確に予測することはできません。
日本銀行は、経済・物価・金融情勢を確認しながら、必要に応じて政策金利を引き上げ、金融緩和の度合いを調整していく方針を示しています。
住宅購入者としては、一つの金利予測に賭けるより、複数のケースを想定しておくほうが現実的です。
ケース1:追加利上げが進む
物価や賃金の上昇が続けば、日銀が追加利上げを行う可能性があります。
その場合、短期金利の影響を受けやすい変動型住宅ローンにも、時間差を伴って上昇圧力がかかります。
ケース2:政策金利は当面据え置かれる
景気や物価の動向によっては、日銀が政策金利を1%程度でしばらく維持することも考えられます。
ただし、政策金利が据え置かれたからといって、固定金利まで動かないとは限りません。
ケース3:長期金利だけがさらに上昇する
財政、海外金利、インフレ期待などの影響から国債利回りが上昇すれば、政策金利とは別に固定型住宅ローンの金利が上昇する可能性があります。
実際、2026年9月には10年物国債利回りが一時3%に達しています。
つまり、これから住宅を購入する方は、「変動金利が上がるか」だけではなく、「固定金利との金利差がどう変化するか」も見ておく必要があります。
変動金利と固定金利、結局どちらを選べばいい?

住宅ローンには、「誰にとっても固定金利が正解」「変動金利のほうがお得」といった答えはありません。
現在は変動金利と全期間固定金利の差が大きいため、固定金利を選べば安心できる代わりに、当初から高い金利を負担することになります。
それに対して変動金利は、現時点では固定金利より低い商品が多いものの、将来の返済額が変わる可能性があります。
変動金利を検討しやすい人
- 借入額を比較的抑えられる
- 金利上昇時にも家計に余裕がある
- 繰り上げ返済できる資金を確保できる
- 今後の収入増加をある程度見込める
このような方であれば、変動金利の低い当初金利を活用する考え方があります。
固定金利を検討しやすい人
- 住宅ローン返済額を確定させたい
- 教育費など今後大きな支出を予定している
- 借入額が大きく、金利上昇の影響を受けやすい
- 毎月の家計に大きな余裕を持たせにくい
このような方にとっては、多少金利が高くても固定金利を選び、将来の返済額を確定させる意味があります。
金利タイプを決める前に「いくら借りられるか」を確認しよう

住宅ローンを考えるとき、多くの方が最初に「変動か固定か」を考えます。
しかし、その前に確認したいことがあります。
自分の場合、どの金融機関で、どのくらい借りられる可能性があるのか。
住宅ローンの審査基準は金融機関によって異なります。
年収だけではありません。勤務先、勤続年数、年齢、ほかの借り入れ、購入する物件など、さまざまな条件が審査に影響します。
「年収から計算すると5,000万円くらい借りられそう」と考えて物件を探し始めても、実際に住宅ローンを申し込んだ段階で希望額に届かないことがあります。
逆に、金融機関を適切に選ぶことで、選択肢が広がるケースもあります。
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「借りられる金額」と「無理なく返せる金額」は違う

ここでもう一つ、大切な点があります。
住宅ローン審査で借りられる金額と、実際の生活の中で無理なく返せる金額は同じではありません。
住宅を購入したあとには、住宅ローン以外にもさまざまな支出があります。
- 固定資産税
- マンションの管理費・修繕積立金
- 戸建て住宅の修繕費
- 教育費
- 自動車関連費用
- 老後資金
さらに変動金利を利用する場合は、将来の金利上昇も考えておかなければなりません。
そこで住宅購入予算を決めるときには、「いくら借りられるか」を確認したうえで、「その金額を借りても生活に余裕が残るか」まで考えることが重要です。
先に借入可能額を把握しておけば、物件価格を上限いっぱいまで見る必要もありません。
住宅ローンの選択肢を確認しながら、少し余裕を持った購入予算を設定する。金利が上昇している今だからこそ、この順番が大切です。
変動金利を選ぶなら、金利上昇後も返せるか確認する

変動金利を選ぶこと自体が危険なわけではありません。
問題になるのは、現在の低い返済額だけを基準に借入額を決めてしまうことです。
変動金利を利用する場合は、現在の適用金利だけではなく、今後さらに金利が上昇した場合の返済額も確認しておきましょう。
そのうえで家計に余裕が残るのであれば、変動金利を選ぶ合理性があります。
それに対して、少し金利が上がっただけで毎月の収支が厳しくなるようであれば、借入額そのものを見直すか、固定金利も含めて検討したほうが安心です。
住宅ローン控除も2026年から拡充

住宅ローン金利だけではなく、住宅取得に利用できる制度も確認しておきましょう。
2026年度税制改正では、住宅ローン控除の適用期限が2030年12月31日まで5年間延長されました。
控除率は0.7%。認定住宅などでは13年間の控除期間が設定されています。
また、省エネ性能の高い既存住宅について借入限度額が引き上げられるなど、中古住宅にも利用しやすい制度へ見直されています。
住宅ローンを比較するときには、金利だけではなく、住宅ローン控除、団体信用生命保険、手数料、保証料なども含めて判断してください。
まとめ:金利を予想するより、まず自分の住宅ローンを知ろう

2026年に入り、日本の住宅ローン環境は明らかに変わりました。
日銀の政策金利は1.0%程度まで上昇し、10年物国債利回りも一時3%に到達しています。変動金利、固定金利ともに、かつての超低金利を前提として住宅購入を考えることは難しくなっています。
しかし、「これから金利が上がりそうだから住宅を買わない」「変動金利が怖いから必ず固定金利にする」と単純に決める必要もありません。
大切なのは、自分たちの収入や借入状況なら、どの金融機関で、いくらくらい借りられる可能性があるのかを先に確認することです。
そのうえで、金利が上昇した場合でも無理なく返せる購入予算を決めれば、住宅ローンの選択肢はかなり整理できます。
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本記事は2026年9月2日時点の情報に基づいています。住宅ローン金利や金融政策、税制は変更される場合があります。実際に住宅ローンを利用する際は、金融機関等の最新情報をご確認ください。
