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知らないと損する!建売住宅に潜む7つの注意点【対策あり】

仕事や家事で多忙ななかマイホームを検討するなら、建売住宅もいい選択です。価格面でも有利ですし、入居までの期間が短いのも魅力。

しかしタイトルの通り「知らないと損する建売住宅に潜む7つの注意点」があるのです。

うっかり見逃していると、ローン返済中に思わぬ追加費用が出てしまうかもしれません。また、資産価値が下がりやすい物件を買ってしまうリスクもあります。

建売住宅を買うなら、土地リスクや設備の隠れコストまで精査し、しっかりと家計を守りましょう。

本記事では、ハザードマップと古地図を併用した土地チェック法から、網戸・外構など価格表に載らないオプション工事の見抜き方、さらに将来売却時に差がつくリセールの考え方まで、プロの実例を交えて徹底解説します。

安心して理想の新生活をスタートできるよう、ぜひ最後までお読みください。

建売住宅とは?注文住宅との違いは?

比較項目建売住宅注文住宅
設計・間取り△ 自由度は低いが、実物を見て選べる◎ 自由度が高いが、完成まで実物を見れない
土地の選択△ 販売地から選ぶ。土地探しの手間は少ない◎ 好きな土地を選べるが、探す手間がかかる
費用◎ 比較的安価で、価格が明確△ こだわると高額になりやすく、総額が見えにくい場合もある
入居までの期間◎ 早い(完成済みなら契約後すぐも)△ 長い(半年~1年以上かかることも)
品質・性能△ 建築過程が見えにくい。一定の品質は期待できる◎ 建築過程を確認できる。こだわれば高性能にできるが、業者選定が重要
手続き◎ 比較的シンプル△ 煩雑になることが多い
こんな人向き時間や手間をかけたくない、予算を抑えたい、実物を見て決めたい、すぐに入居したいこだわりの家を建てたい、土地選びからこだわりたい、家づくりの過程も楽しみたい

建売住宅のメリットは、現物を見て選べる「堅実さ」。また、建築メーカーが大量仕入れにより費用を抑えているので、注文住宅よりも安い点が魅力です。

悪く言えば、建売住宅は「普通」という印象になりがちですが、夢や希望が先行して「建ててみたら使いにくい家だった」という失敗は避けられます。

一方、注文住宅は「理想を形にできる」点がメリット。「こんな家に住みたい」というビジョンがハッキリしている人に向いています。

ただし、手続きや予算管理は煩雑。土地選びからひとつひとつ積み上げていく必要があります。家づくりに情熱がある方向けといえるでしょう。さて、ここからは「知らないと損する建売住宅にひそむ7の注意点」を検討する前提として、建売住宅と注文住宅のメリット・デメリットを具体的に解説します。

建売住宅のメリット・デメリット

この章では建売住宅の注意点を整理しながら、建売住宅のメリットとデメリットを幅広くリストアップしていきましょう。

建売住宅のメリットは、先ほど述べたように「完成した状態を見て判断できる」ため、失敗や後悔をしにくい点。また、土地建物をセットで購入するためローンの計画も立てやすく、全体として「堅実な不動産の買い方だ」といえるでしょう。

  • すでに完成しているので間取りや生活動線を確認しやすい
  • 「一般的に使いやすいだろう」という設計なので失敗しにくい
  • 土地と建物のローンを一括で組める
  • 同じ仕様でも注文住宅より安価
  • 追加費用が発生しにくく、予算で失敗しにくい
  • 入居時期などスケジュールが明快
  • アフターサービスは注文建築同様10年保証

一方、建売住宅のデメリットを一言でまとめると「個性が薄い」といえるでしょう。建売住宅では、住宅メーカーが考えた最大公約数的な間取り・設備が採用されています。そのため大抵の場合は使い勝手がいいものの、突き抜けた個性はありません。

こだわりが強い場合──たとえばガーデニングを徹底的に楽しみたい、自動車整備用に広いガレージが欲しい──などのニーズには合わないかもしれません。

  • デザインや間取りの変更は原則できない
  • 完全に自分のライフスタイルに合わせるのは難しい
  • エリアによっては建売住宅が存在しない場合もある
  • 外構工事や網戸などが別料金の場合もあり注意が必要
  • 建築過程を確認できず、内部はブラックボックス

注文住宅のメリット・デメリット

注文住宅のメリットは、好きな土地を選べることや設計の自由度が高いことなど、オーダーメイドならではの魅力です。

予算が許す限り、自分らしく個性的な住宅を建築できます。

また、こだわりがある場合は工務店をイチから選び、施工方法まで細かく検討すると納得のいくマイホームが実現します。

  • 設計の自由度が高く、夢を形にできる
  • 将来のライフプランを見据えた設計が可能
  • 好きな土地に建てることができ、立地の自由度が高い
  • 予算に合わせて一点豪華主義など独自性を出せる
  • その気になれば建築工程を自身の目でチェックできる

土地から選べて建築の自由度が高いという点は注文住宅のメリットですが、逆にいえば「土地を探さなければいけないなど手間がかかる」というのはデメリットでもあります。

筆者は不動産会社の立場で複数の一戸建てを建築しましたが、業務として取り組んでも相当な時間と労力が必要でした。

また、ゼロから家を作り上げるプランを考えるため完成後が読み切れず「完成したらイメージと違った」というリスクもあります。

さらに、こだわりが強い注文住宅は、売却時に買い手を選ぶ傾向があります。建売住宅が最大公約数で作られているのに対し、独自性の高い注文住宅は売却期間が長引きやすいのです。

注文住宅か建売か迷う場合は、将来的なリセールも見据えて検討してみてください。

  • すべてを決める工程が想像以上に大変
  • 「完成したらイメージと違った」リスクも
  • 土地とハウスメーカーを別々に探す手間
  • 土地と住宅のローンを別々に組むのはめんどう
  • こだわるほど予算が膨らむ(予算が上振れする危険性)
  • 工期は半年~1年と長期化しやすい

注文住宅の意外な落とし穴とは?

筆者が企画した分譲住宅で一度、土木会社のミスにより建物が傾くという重大な事件がありました。

この時はいつもお世話になっている弁護士事務所と連携し、大きな損失を回避できましたが、個人で同様のトラブルに対応するのはかなり大変でしょう。

この点、建売住宅であればリスクは建築メーカーや販売会社が引き受けるため、施主の負担はかなり軽減できます。

実際、この時もリスクは筆者が負担し、ユーザーに転嫁するようなことはしませんでした。

こだわりが強すぎると売りにくいことも…

また、海が見える高台の一戸建てを仲介した際、注文住宅ならではの苦労を経験しました。

屋上緑化や広々とした間取りなど魅力のある物件でしたが、個性的すぎて買い手がなかなか現れなかったのです。結局、粘りにねばって3年ほどかけて、ようやく売却できました。

ハリウッド映画のようにおしゃれな浴室がガラス張りで廊下から丸見えだったり、かなり独自の仕様だった点が原因でした。

このように「こだわりの強い注文住宅は売却時に苦労してしまう可能性もある」という点も押さえておいてください。

注意点① 土地・地盤リスク(災害リスク)

大阪市内で突然崩落した地盤

エリアによっては住宅用地が不足しており、多少無理のある場所に建売住宅を建築して販売しているケースもあります。

筆者は宅建士として多くの現場を回るうえで、こうした「無理をした立地」に立つ物件も見てきました。「建売住宅にひそむ7つの注意点」の筆頭にあげたいのは、土地・地盤リスク。これは、まず最初に確認すべきポイントだといえるでしょう。

結論として、不動産に詳しくない人には、直感的に操作できる国土交通省の「重ねるハザードマップ」で確認するのがおすすめです。

筆者は、上記サイトで「土地の成り立ち」の「地形分類」「地質分類」などをよくチェックします。

ただし、ハザードマップに載るような問題点は重要事項説明書に書く必要があり、住宅メーカーからもしっかり説明を受けます。

気になるのは、重要事項説明に書くまでもないものの「できれば避けたい」というポイント

例えば、比較的最近まで田んぼや沼地・川だった場所に住宅が建築されている事例もあります。このような場合は地盤に注意したいのですが、重要事項説明における説明義務もないため、自分で調査する必要があります。

その場合にお勧めなのは、埼玉大学教育学部の谷先生が公開している「今昔マップ on the Web」。

現在の地理院地図(国土地理院)と過去の古地図を重ねて閲覧でき「かつて何があった土地か」を視覚的に確認できます。私は購入前の調査でこのツールを使い、昔が沼地・河川敷だった場所を避けるようアドバイスしていました。

さらに詳しい土地調査手順は、筆者のブログ記事でも解説していますので、ぜひ参考にしてください

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注意点② 建物構造・設備の品質

この章では、建売住宅に潜む注意点のひとつとして、建物構造と設備の品質に関するリスクを解説します。

建売住宅と注文住宅では、使用する設備のグレードが異なる場合があります。建売住宅では設備メーカーのごくスタンダードな商品を選ぶのが一般的です。例えば、LIXILのシステムバスなら「リデア」、キッチンなら「シエラ」といった具合で、いずれも問題はありませんが、やや画一的に見えるかもしれません。

一方、注文住宅であれば、こだわりの住宅設備を採用することも可能です。

ただし、こうした点は主に見た目や多少の使い勝手の違いに過ぎず、深刻なデメリットとはいえません。本当に注意すべきなのは、見えない部分でコストダウンが図られているケースです。

見えない部分のコストダウンは影響が大きい

たとえば都市ガスではなくプロパンガスのエリアでは、特定のプロパンガス業者に設備の施工や配管工事を格安で発注し、その代わりに割高なガスの契約を結ばせる手法が広く使われています。

また、特定の浄化槽汲み取り業者に下水周りの配管工事を格安で施工させ、その見返りに浄化槽のメンテナンス契約を結ばせる例もあります。市の下水道本管が目の前まで来ているのに、あえて下水に接続せず浄化槽を使用させていた事例もあるため、悪質なコストダウンには十分注意しましょう。

こうした見えないコストダウンは、建売住宅に潜む注意点の中でも特に意識しておきたいポイントです。少しでも不安があれば、取扱件数が多い不動産会社に仲介を依頼してください。

筆者はLIXILのキッチン「シエラ」が好きで、自宅もシエラにしています。スタンダードな製品だけにすっきりとムダのないデザインで、機能性も問題ないからです。このように、建売で使用する設備のグレードが安いからダメということはありません。

注意点③ 表示価格に含まれない費用

この物件も網戸が入っていない

ハウスメーカーによってポリシーはさまざまですが、網戸をオプション扱いにしている例がよく見られます。その場合、網戸なしでは生活できないため、結局は追加費用を支払って設置することになります。

これも、知らないと損する建売住宅の注意点といえるでしょう。

そのほかにも外構工事や敷地周りのフェンスが別料金となるケースもよくあります。こうした項目まで丁寧に案内してくれる業者を選ぶと安心です。

また、物件によっては本来有料のオプションを交渉で無料にしてもらえる場合もあります。もし交渉ができるようなら、その点をきちんとアドバイスしてくれる不動産会社に仲介を依頼すれば、余計な出費を抑えることができます。

こうした注意点を熟知し、建売住宅を多数扱う不動産会社に頼むとより安心できるでしょう。

クラシエステート株式会社では、こういった費用面の確認にも力を入れ、的確なアドバイスを心掛けています。初期費用を明確化したい方は、お気軽にご相談ください。

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注意点④ 周辺環境・生活導線

物件ありきではなく周辺環境から考えたい

注文住宅の場合、(1)まず納得できる土地を選び、(2)そこに施主の希望を反映した住宅を建てます。土地選びの時点で、学区や生活上必要な施設の立地を検討しているはずです。

ところが建売住宅の場合、ハウスメーカーが大きな土地を購入して区画分譲するため、必要な施設が近くにあるとは限らず、希望する学校が学区内にないこともあります。

その点、建売住宅は注文住宅に比べて立地を選ぶ自由度が低めといえるでしょう。

特に都心に近い地価上昇エリアなど住宅用地が不足している地域では、多少無理のある立地に建売住宅が建つケースも見受けられます。

新築住宅を前にすると建物に目を奪われがちですが、まずは「立地を大事にする」という視点を思い出してください。

2〜3駅遠くても環境の良い場所を選ぶか、都心に近い通勤利便性を取るか……この判断は将来のライフステージにも大きく影響します。

年とともに体力は低下し、子どもたちは独立していきます。「その時どうなのか」という視点を持つことも大切です。今だけでなく10年後、20年後の暮らしやすさをイメージしながら、周辺環境を総合的に見極めてください。

注意点⑤ 売主・施工会社の信頼性

施工した大工の顔が見えない点が残念

注文住宅に比べ、建売住宅は「誰が建てたか」という工務店の顔が見えにくいデメリットがあります。

筆者の知人の大工さんは「建売住宅の現場から声が掛かることが多いものの、現場の品質にばらつきがあるため依頼をためらう場合がある」と話していました。

できれば、売主や施工会社の実績を確認し、信頼できる大工が施工したかどうかを見極めたいものです。

この点、住宅の良し悪しを見極められる専門知識を持つ不動産会社と、二人三脚で建売住宅を探すと安心です。

建物のわずかな傾きや施工精度の狂いも、プロが見れば分かる場合が多く、第三者の目でチェックしてもらえればより安全です。

アフター保証の内容を含め、見落としがちな建売住宅の注意点を把握したうえで契約することをおすすめします。

注意点⑥ 住宅ローン&資金計画

住宅ローン年収倍率の推移

上のグラフは住宅金融支援機構「フラット35利用者調査」による年収倍率の推移です。2022年をピークにやや下降気味とはいえ、依然として高い水準が続いており、注文住宅では7倍超、建売住宅では7倍弱です。

つまり、年収500万円の人が約3,500万円のローンを組んでいる計算になります。年収倍率に絶対的な基準はありませんが、これはかなり高い水準といえるでしょう。

一方、中古マンションなどを選ぶ人の年収倍率は6倍以下。この差は「堅実さを取るか理想を取るか」という、新築と中古住宅の選択にも影響していると考えられます。

なお、ハウスメーカーや銀行に直接相談すると、多くの場合は借入枠ぎりぎりの住宅ローンを勧められがちです。売主側も金融機関も、その方が売上が立つからです。

慎重に資金計画を立てたい人は、幅広い視点から助言できる不動産会社の意見も聞いておいてください。場合によっては「予算的に中古物件も検討しては?」といった提案もあり得ます(これはハウスメーカーが絶対に言ってくれないアドバイスですね)。

重要なのは、多角的な意見を取り入れながら、自分に合った物件選びと資金計画を立てることです。こうしたポイントを押さえ、無理のない返済プランを立ててください。

注意点⑦ リセール&将来価値

「建売住宅に潜む7つの注意点」の締めくくりとして、リセールと将来価値の確認をしておきましょう。

私たち不動産業者が物件を買い取る際は、かならず将来の売却、つまり「出口戦略」を考えます。出口戦略を持たずに不動産を購入すれば、資産が負債に変わる危険があるからです。

リセールバリューで一般の購入者がまず押さえるべきポイントは「立地」といえるでしょう。「不動産の価値は立地が9割」といわれるほどで、駅までの距離や周辺環境を重視して物件を選びましょう。

都心や駅に近いほど将来価値が下がりにくい傾向は明確です。地価が上昇しているエリアでも、駅から1.5kmを超えると価格が伸び悩むケースが多い点に注意してください。

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同時に、災害リスクの低いエリアを選ぶことも重要です。ハザードマップで土砂災害警戒区域に該当する土地は、不動産会社が買取を避ける場合があります。

こういった点を意識し、将来売却する場合にも困らないよう出口戦略を立てましょう。

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まとめ|建売住宅は失敗しにくいが注意も必要

建売住宅には賛否両論あります。何を重視するかで「建売住宅が向いている」「建売住宅は向いていない」という判断がわかれるでしょう。

なかでも「確実な資金計画を立てたい」「初めての住宅購入で失敗したくない」という人に、建売住宅が向いています。

すでにできあがった間取りや水回りなどの設備を確認し、生活動線も実物でチェックできるわけですから「建物が完成したら想像と違っていた」という失敗がないからです。

また、資金計画についても「あとから追加工事が出た」「設備の変更で予算が上振れした」といった問題になりにくいのも特徴です。

しかしそれでも「建売住宅には7つの注意点がある!」というのがこの記事の趣旨です。

見逃しがちな土地リスク・隠れコスト・施工品質など、チェックしておきたいポイントは複数あり、できれば「プロの目」でチェックしてもらうのが確実でしょう。

  • 最近までその土地が池や水田だった場合は地盤が心配
  • 建物の「見えない構造部分」が大丈夫か確認したい
  • 外構など「別費用」となるものがないか確認
  • 周辺環境や通勤・通学の導線を考えないと後悔する可能性
  • 本当に適正な住宅ローンを組むのは難しい
  • 将来リセールバリューが落ちて資産が目減りする心配

初めてのマイホーム選びでは、追加費用が後から膨らむ不安や、外からは見えない構造欠陥を見落とす心配も。忙しい共働き世帯は調査時間が取れず、判断を誤れば家計と生活の両方に長期的な痛手となりかねません。

そこで、本記事では、①ハザードマップと古地図で土地・地盤を二重チェックし災害リスクを回避、②網戸・外構など価格表に含まれない必須工事の総額を事前に洗い出し交渉する、③売主と施工会社の実績を第三者目線で検証しダメな物件を避けるコツ等を解説しました。

こういったポイントを押さえておけば、購入直後の出費と将来の修繕リスクを最小限に抑え、安心して新生活をスタートできます。

クラシエステート株式会社では、多数の建売住宅取引を支援した実績があります。現場経験に基づく具体策を提案し、失敗を防ぐマイホーム購入につなげていきます。

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