スーモ(SUUMO)をはじめとした不動産ポータルサイト(情報サイト)には、あまり仲介手数料の額が書かれていません。
その理由としては、主に以下の3点が考えられます。
- そもそも成約するまで仲介手数料が確定しないから
- 法令上も広告に仲介手数料の明示義務はないから
- スーモのガイドライン上も仲介手数料を掲載する必要がないから
スーモ(SUUMO)やホームズ(LIFULL HOME’S)、アットホーム(athome)など主要な不動産ポータルサイトでは、上記のような理由から、仲介手数料を書いていない不動産会社が多いと考えられます。
しかし、仲介手数料(上限額)は、以下の計算式でかんたんに計算できます。
仲介手数料上限額 = (成約価格 × 3% + 6万円) + 消費税
たとえば1000万円で取引が成立した場合、36万円(+消費税)という計算になります。
この記事ではもう1つ、気になるテーマを解説します。
「仲介手数料無料」をうたっている不動産会社は、問題ないのでしょうか? タダで仲介してくれると聞くと、たいへん怪しく聞こえますが、利用して問題ないケースもあります。
どんな場合に仲介手数料無料サービスを利用してもOKなのか、記事後半で解説しました。
この記事は宅建士資格を保有するアップライト合同会社の立石秀彦が制作しました。
スーモ(SUUMO)に仲介手数料が書いていない3つの理由

スーモには確かにあまり仲介手数料が明示されていません。それには建前として3つの理由があります。
①仲介手数料の額は成約するまで確定できないため、そもそもはっきりとは明記できないといった事情や②法律上も広告原稿に仲介手数料の掲載義務がないこと、また③スーモの規約等にも、仲介手数料の明示義務がないことなどが主な理由としてあげられます。
ただ、これまでスーモに仲介手数料が明記されてこなかった背景には、不動産会社の大人の事情も絡んでいます。これについてもかんたんに解説しておきましょう。
成約するまで仲介手数料の額は確定しないから
スーモ等の不動産ポータルサイトで物件情報ページ内に仲介手数料の額があまり書かれていない理由のひとつに、仲介手数料が広告している価格ではなく、成約した価格に対して計算されることがあげられます。
つまり、仲介手数料は成約しないと確定しないのです。
もちろん「参考情報」等と注記をしたうえで、仲介手数料の目安を掲載したほうが親切ですが、確定していないものを掲載して誤解されるのを避けたい、という考え方も理解できます。
そういった背景から、ポータルサイトに仲介手数料をあらかじめ明記する不動産会社があまり増えないのでしょう。
また、仲介手数料の上限額は法律で規定されているため、誰でも簡単に計算できるという事情もあります。
誰でも計算できる上に未確定な情報をあらかじめ掲載しておくというのは、あまり合理的ではないという考え方もうなずけます。
広告時に法令上の仲介手数料明示義務がないから
不動産業界の広告の表示については、主に不動産公正競争規約の定めに従います。公正競争規約は、景品表示法の第36条の規定により不動産業界の自主的なルールとして定められています。
自主的なルールとはいえ、法律に基づいて制定されているものなので、ルールを厳守することが加盟不動産会社各社に求められています。
また、不動産公正競争規約の定めはかなり細かく、厳しいものとなっています。
しかし、広告をするときに仲介手数料を明記しなければならないという定めはありません。この背景にも、法令によって不動産会社の仲介手数料の上限額がはっきりと定められているから、という事情があると考えられます。
スーモ(SUUMO)のガイドライン上も載せなくていいから
実はスーモでは、もともと仲介手数料を掲載することが禁止されていました。諸費用の掲載についても同じく禁止されていました。
例えば「仲介手数料割引します」といった文言をスーモに載せると、規約に違反するとして、厳しく規制されていたのです。
2023年以降、スーモの規約が変更され、物件情報内に仲介手数料を記載しても構わないというルールに変更されました。例えば、仲介手数料を取らないのであれば「仲介手数料無料」と記載することも可能です。
ただし、現在でも「仲介手数料を記載しなければならない」という規定ではありませんので、仲介手数料を記載しない不動産業者の方が多数派となっています。
つまり、スーモが「仲介手数料は掲載しなくてよい」と考えている事が、広告に仲介手数料が記載されない大きな理由となっています。
大人の事情「ユーザーに仲介料を意識してほしくない」
ただ、こういった表向きの理由に加えて、スーモのような大手ポータルサイトが大人の事情として抱えている問題もあります。
スーモやアットホーム、ライフルホームズなどの顧客は、閲覧しているユーザーではなく、お金を払っている不動産会社です。
そして、不動産会社の多くは仲介手数料を「法律で定められた上限の金額で受け取りたい」と考えています。
そのため「仲介手数料が自由化されており、法律の上限から値引きしてもよい」ということをあまり知ってほしくない、という大人の事情があります。
特に大手不動産仲介業者は、仲介手数料を値引きしない傾向があります。
スーモとしても、そういった大口の顧客に忖度する形で「仲介手数料に関して触れないでおこう」と考えている可能性は否定できないでしょう。
そういったこともあって、2023年までスーモでは仲介手数料に関して記載することそのものを禁止していたという事情があります。
不動産仲介手数料の決まりと計算方法

不動産の仲介手数料は、実際にその物件が成約した価格に対し、成約額に応じて以下の割合で決定されます(法律で定められた上限価格)。
不動産仲介手数料(売買・交換)の上限額
取引額(売買価格)の区分(税抜) | 手数料率(上限) |
200万円以下の部分 | 5% |
200万円を超え、400万円以下の部分 | 4% |
400万円を超える部分 | 3% |
ただし、不動産会社が実務で使う計算式を利用すると、電卓ひとつでかんたんに仲介手数料の上限額を計算できます。これを速算法と呼びます。
一方、価格帯が低い物件の場合は、例外的な取り扱いもありますので、それについても見ていきましょう。
※上記の仲介手数料の価格には別途消費税が加算されます。
「3%+6万円」の速算法で手数料上限額を計算
一般に実務では簡単に計算できる速算法を使って仲介手数料の額を決定します。計算式は、価格帯別に以下の表のようになります。
取引額(売買価格)(税抜) | 速算式(上限額・税抜) |
200万円以下 | 売買価格 × 5% |
200万円を超え、400万円以下 | 売買価格 × 4% + 2万円 |
400万円超 | 売買価格 × 3% + 6万円 |
例えば、成約価格が1000万円であれば1000万円の3%に6万円を加えた36万円が税抜きの仲介手数料というふうに計算できます。
よく「仲介手数料のおおよその額は物件価格の3%」といわれますが、これは速算法の「売買価格×3%+6万円」をさらに簡略化したものです。
800万円以下の不動産契約では一律33万円が手数料上限額に
2024年の法令改正により、800万円以下の低廉な不動産の仲介手数料ルールが大きく変わりました。これは、増え続ける空き家問題の解決を念頭に置いたものといわれます。
不動産会社は、通常の仲介手数料に加えて、現地調査などに要した費用を上乗せして請求できるようになりました。
ただし、その合計額には30万円(税抜)という上限が設けられています。消費税(10%)を加えると、最大で33万円となります。
そこで、不動産会社としては売主・買主の双方に対して、800万円以下の物件であっても最大33万円までの仲介手数料を請求することが多くなるだろうと考えられています。
スーモなどのポータルサイトでは、こういった物件についても、相変わらず仲介手数料に関する注記はありません。この点はぜひ念頭に置いて、物件選びを進めてください。
「仲介手数料ゼロ円」は法律上問題ない?

ここまで見てきたように、不動産の仲介手数料には様々な決まりがあり、また仲介手数料を掲載するかしないかにも、いろいろな背景があることがわかります。
しかし一方で、仲介手数料ゼロ円をうたっている不動産会社もあります。
仲介手数料をゼロ円に設定して問題は無いのでしょうか? 実は問題があるパターンと問題がないパターン、の両方考えられます。
その背景を理解した上で、安心できる不動産業者を選ぶようにしてください。
仲介手数料以外の隠れコストはない?
一般に、不動産仲介業者の収入源のほとんどは「不動産仲介手数料」です。
仲介手数料を理由なくゼロ円にすると、会社の経営が成り立ちません。
しかもスーモなどのポータルサイトを利用すると、不動産の広告料はかなり高額です。月に何十万円もかかるといったことが普通にあります。
そんなにお金をかけて仲介業務を行い、仲介手数料ゼロ円でやっていけるのでしょうか?
何の仕組みもなく仲介手数料をゼロ円に設定している場合、別の名目でお金をとっている可能性があります。
例えば、わかりやすいところでは、住宅ローン代行手数料を請求するという事例が報告されていますし、契約書や重要実行説明書等の資料作成に、別途費用を徴収するといったケースもあります。
その他調査費用やコンサルティング料等の名目でお金を徴収する不動産会社もあります。
しかし、こういった直接的にお金を調整するケースは、まだ隠れコストとしてはわかりやすい部類でしょう。
わかりにくいのは物件調査をしない、物件調査を手抜きをすることでコストを省き仲介手数料を安くしている事例や価格交渉など本来の業務を省くことでコストを引き下げている事例です。
こういったものは文字通り隠れコストに当たりますので、仲介手数料が無料でも、むしろソンをしている可能性もあります。
「仲介手数料をゼロ円にできるのはなぜか?」という理由が問題なのです。
クラシエステートなら「仲介料ゼロ円」でも安心のサービス
クラシエステートでは、新築の一戸建て物件に関して、仲介手数料ゼロ円で仲介業務を行っています。
この背景には売主である住宅メーカーから満額の仲介手数料を受領し、そのかわりに買主である一般ユーザーの方からは仲介手数料をいただかない、というルールを設定していることがあげられます。
この方法であれば、ユーザーから見えない隠れコストが発生する心配もありませんし、様々な住宅メーカーを横断的に比較し、それぞれのユーザーに最適な物件を紹介するという業務が可能になります。
クラシエステートが独自に定める「13のチェック項目」
クラシエステートが主に扱っているのは、八王子市を中心とする多摩エリアの新築建売物件です。
アーネストワンや飯田産業、一建設など様々な住宅メーカーがエリア内に多数の物件を建築し販売しています。
お客様のニーズをヒアリングし、数多くの情報の中から最適な物件を選択・提案することが、クラシエステートの重要な事業となっています。
一般に新築建売物件を購入されるユーザー層は、初めてマイホームを持つ世帯が大半です。そのため、物件を見るときに「どこを見たらいいのか」がなかなかわからず、またローンの組み方や立地の選び方なども、かんたんには決め切れないのが実情です。
クラシエステートではこういったお悩みを丁寧にヒアリングした上で、物件選びのお手伝いをし「これが最適だ」という物件を提案し、一緒に現地を回っています。
その際プロの目と経験に基づいた物件調査を行うために、クラシエステート独自の13のチェック項目に基づいたチェックシートを作成し、お客様に配布しています。
クラシエステートの営業圏以外の読者の方は、以下の記事を参考に、ご自分でチェックシートを作り、物件チェックを行ってみてください。
まとめ「仲介手数料上限は3%+6万円」

スーモで物件を探していると、仲介手数料について詳しく書かれていないことに疑問を感じる方も多いはずです。
大きな買い物だからこそ、「結局いくらかかるのか」を事前に知っておきたいのは当然です。
しかし大人の事情もあり、スーモには具体的な仲介手数料の金額が掲載されないのが実情です。また、仲介手数料は売出価格ではなく成約額に応じて決まるため、あらかじめ正確な額を掲載できないといった事情もあります。
そこで、仲介手数料は、自分で計算してしまうのがおすすめです。以下の計算式を使用すれば、すぐに法令上の上限額を計算することができます。
仲介手数料 = (成約価格×3%+6万円)+消費税
仲介手数料は、この速算法で計算するのが一般的です。
また「仲介手数料無料」のサービスも存在しますが、その仕組みや裏側も知ったうえで選択することが大切です。信頼できる会社であれば、隠れコストや手抜きのないサポートも期待できます。
例えば、クラシエステートでは新築一戸建住宅の仲介手数料はゼロ円です。
ゼロ円でも、独自の13項目チェックなど、安心して住宅を購入できるサポート体制が自慢。実際に多くの方が、納得して新居を選んでいます。
「仲介手数料がよくわからない」「損をしたくない」と思った方は、まずは無料の購入相談フォームからお気軽にご相談ください。あなたに最適な物件選びを最高のコストパフォーマンスでお手伝いします。
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