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ゴミ置き場が家の前にある戸建ては本当にダメ?デメリットと対策を徹底解説

「家の目の前にゴミ置き場がある家を買うべきか」と悩む気持ちはよくわかります。ただ、結論として、筆者は「気に入ったのなら買ってもよい」と考えます。

もちろん、極端に居住空間に近い位置にゴミ置き場があるようなケースは避けた方がいいでしょう。しかし、悪臭や害虫が家の中に入ってこない距離ならOKです。

なぜなら、雨の日に遠くのゴミ捨て場までいくのはつらいからです(経験談)。

また、後で詳しく解説しますが、日本におけるゴミ収集方式は、いずれ個別収集(それぞれの家の前にゴミを出す方式)に変わっていくと予測されます。

一部の過密地域を除くと、将来的にゴミ収集ステーション自体がなくなっていくかもしれません。

もちろん「家の前にゴミ置き場があるのはイヤだ」という人もいるはずですから、ゴミ置き場反対派の視点からも、この問題を検討してみましょう

この記事は宅建士資格を保有するアップライト合同会社の立石秀彦が制作しました。

戸建てのゴミ置き場が家の前にある!主なメリット・デメリット

筆者の自宅は、それぞれの家の前にゴミを出す「戸別収集」方式です。一方、筆者の実家(岡山県倉敷市)はゴミ捨て場にゴミを集める「ステーション方式」。それぞれを比較すると、リアルなメリット・デメリットが見えてきます。

ゴミ置き場が近いたった1つのメリット

筆者が考える「ゴミ置き場が目の前にあるメリット」は「ゴミ出しがラク」なこと。これが唯一のメリットといっていいのですが、しかしバカにできないのです。

筆者の実家(正確には妻の実家)は、ゴミステーションまで約180mですが、雨の日は何倍もの距離に感じられます。最悪、雨が降ったらクルマにゴミを積んで捨てに行っています。

その点、ゴミ置き場が目の前であれば、ものすごくゴミ捨てがラクになります。

そう考えると、ゴミ置き場が目の前であってもそれほど悪くないと思えてきます。エリアによってはゴミ置き場が遠く、雨でなくても常にクルマでゴミを捨てに行く、ということもありますから、そもそも「どこにゴミを集めているか」を確認する必要があるといえるでしょう。

「家の前にゴミ置き場がない」と安心していたら、ゴミステーションがものすごく遠かった、というほうが、後々困ることになりそうです。

ゴミ置き場が目の前にある3つのデメリット

  • 夏場の「匂い」と「害虫」に注意
  • 周辺の相場より資産価値が下がってしまうかも
  • ご近所トラブルに発展する可能性あり

ゴミ収集所のいやなニオイの主な原因は「生ごみ」。というより、生ゴミを細菌やカビなどの微生物が分解するときに発生する、臭いガス(メチルメルカプタンやイソ吉草酸)がニオイの正体です。

生ゴミも、ビニール袋に入っている状態であればそこまで臭くないのですが、問題はノラネコやカラスによってビニールが破られたとき。腎不全を引き起こすウイルスを媒介するネズミも気になります。

また、若干ですが資産価値が下がる可能性もあります。これについては後ほど詳しく検討しましょう。

最後に、筆者が最も深刻と考える「ご近所問題」。どうしてもルールを守らず前の夜からゴミを出す人や、清掃当番をサボる人が出てくるのが人の世の常ですから、自治会がしっかりしていないと住民同士で直接言い争うことになりかねません。

購入前に必ず確認!失敗しないためのチェックリスト

自治体が機能しているかが最大の問題

筆者としては、ゴミ置き場が近いのはメリットでもあると考えています。

しかしもちろん、ゴミ置き場によるデメリットも心配です。以下のポイントを確認し、後で「しまった!」とならないための事前チェックをしておきましょう。

一番の問題は、自治会が機能しているかどうかです。

自治会がちゃんと機能しているかが問題

多くの地域では、ゴミステーションの設置・維持・清掃を 自治会や町内会が行っています。住民同士で「清掃当番」を決め、ローテーションで掃除をしたり、不法投棄やルール違反をチェックするのが普通です。

マンションの場合は管理組合がゴミステーションの管理も担当し、住民間でルールを決めています。

その点、自治会や管理組合がしっかりしていないとゴミ出しルール違反が増えてしまい、住民トラブルにつながりかねません。

  • 朝ゴミを出すルールなのに、前の夜からゴミを出す人がいる
  • 掃除当番になってもちゃんと清掃せず悪臭が残ったまま
  • 市町村のゴミ分別ルールに従わずにゴミを出し、いつまでも収集されずに放置

人間社会ですから、こういった問題は常につきまといます。いざというとき、自治会がしっかりしていれば適切に対応してくれますが、あまりあてにならない自治会もあります。

そこで、その地域の自治会の活動についてはぜひ確認しておいてください。自治会の会長がどんな人か、そしてどんな活動をしているのかを見てみれば、万が一のトラブルに対応する能力があるかどうかがわかります。

購入を検討している建物の位置・構造も影響する

生ごみ臭の主成分であるメチルメルカプタンは、アンモニアやトルエンに比べて、はるかに低い濃度(0.00007 ppm)で感知されるという特性があります。

建物の位置とゴミ置き場が多少なりとも離れていればいいのですが、接近している場合にはニオイが気になります。

また、建物の性能による影響も無視できません。

機密性の高い樹脂窓等を採用している住宅では、外の臭気が侵入しにくく、ゴミ置き場の影響を受けにくい傾向があります。

また、省エネ基準やZEH基準を満たした住宅であれば断熱性が高く、ひいては防音性も高いため、ゴミ収集時の騒音なども気にならないというメリットがあります。

最近の建売住宅では、省エネ基準が義務づけられており、ZEH基準を満たす物件も多く建築されていますので、そういった建物を検討するとよいでしょう。

東京都の多摩地区で性能の高い住宅を探す場合、仲介手数料無料サービスを実施しているクラシエステート株式会社までお問い合わせください。

ゴミ置き場の問題だけでなく、さまざまな角度からプロの目線で検討し「本当にこの物件でいいのか」に答えを出します。

ゴミ収集日の朝もう一度チェックする

自治体などのルールに従ってゴミを分別して、ルールを守ってゴミ捨てをしている場合、悪臭が発生しにくい傾向があります。

その点、一部住民がルールを守らないエリアの場合、どうしてもゴミ置き場が荒れてしまい、悪臭や害虫の発生確率が高くなってしまいます。

また、雑にゴミ出しをしてしまい、中身が地面にこぼれているといった光景もよく見かけます。

ゴミ置き場が目の前にある一戸建ての購入を検討する場合、ゴミ収集日の朝に現地をチェックして、ゴミ捨てのルールが守られているかを確認することは必須でしょう。

近隣住民が分別ルールを守ってくれているなら一安心ですが、ゴミ捨て場が荒れている場合は再検討した方がいいかもしれません。

よくよく探せば他にもいい物件があるはずですから、ひとつの物件に固執するのもよくないでしょう。

隣のアパートのゴミ置き場には注意が必要

購入しようとしている一戸建て住宅の敷地が、隣のアパートやマンションのゴミ置き場に接しているという事もあります。

筆者は、このケースでは注意が必要だと考えています。

もしゴミの管理が行き届かない場合、自分とは関係のないマンションの管理組合やアパートの管理会社が、どれくらいまじめに対応してくれるか不透明です。

また、集合住宅は住民の入れ替わりが激しく、今は管理状態がよくても、今後ルールを無視する住民が増える可能性も否定できません。

そこで「よそのゴミ置き場が至近距離」という場合は自力でのコントロールが難しく、かなり慎重に検討すべきだといえるでしょう。

将来性はどう? 資産価値と売却時の注意点

ゴミ置き場が目の前の一戸建ては、将来の売却時に価値が下がってしまうのでしょうか? もちろん、全く影響がないとはいいきれませんが、一般論としては大きく影響するわけでもありません。

不動産の価格査定でも「ゴミ置き場が目の前だから○○万円値段を下げよう」という計算はしません。

ゴミ置き場の存在を価格査定に反映させる方法もありますが、一般的には普通に査定額を出し「売り出してみて価格交渉が入ったら少し値下げしましょうか」という対応をします。

また、以下に解説するように、ゴミ収集方式はこれから「戸別収集」が増えるだろうと考えられています。ゴミステーションが廃止される可能性もあり、将来価値について過度に悩みすぎると、正しい判断につながらない可能性があります。

そもそもゴミ収集は個別方式が増える傾向あり!

ゴミ収集方式の現状

現在の日本では、完全に戸別収集方式(一軒ずつ収集)を実現している自治体は8%にすぎません。ステーション収集のみの自治体が56%、ステーション方式+戸別収集を組み合わせる自治体が35%と多数派です。

しかし、国立環境研究所の調査で「住民サービス向上」と「ごみ有料化の推進」といった背景もあり、戸別収集を行う自治体は増えていると報告されています。

この研究は、国立環境研究所、東京大学、パシフィックコンサルタンツ株式会社の研究者が中心となって行われた、戸別ごみ収集と生ごみの分別収集に関する実態調査ですが、意外なことが明らかになりました。

ゴミを一か所にあつめるステーション方式にくらべて、戸別収集は効率が悪く、たくさんの人員(ゴミ収集員)が必要だと考えられてきましたが、そうともいえなかったのです。

ステーション方式から戸別収集に変えた場合でも、ゴミ収集車の燃料消費量や走行距離には大きな違いが出なかった例もあり(地域によっては増加しました)、戸別収集方式は効率が悪いといいきれないことがわかりました。

そういった背景もあり、今後は戸別収集に移行し、家の前のゴミ置き場がなくなってしまう可能性があります。

データ出典

戸別収集、生ごみ分別収集に関する実態調査
ごみの収集方式|国立環境研究所

目の前にゴミ置き場がある場合の対策方法

目の前にゴミ置き場があるからといって、あきらめる必要はありません。以下のような対策方法で、より快適に暮らす工夫ができます。

密閉型ゴミステーションを導入する

ボックスタイプで密閉性の高いゴミステーションを導入することで、悪臭や害虫の悩みを大幅に低減できます。

ゴミステーションの規模によってコストが変わってきますが、5~10軒共用レベルであれば30万円くらいから購入できます。自治会で予算を取ってもらい、密閉性の高いステーションに変更する方法が考えられます。

ゴミステーションの監視カメラを設置する

最近は太陽光発電で自立駆動する、格安の監視カメラが多数登場しています。こういった監視システムを導入することで、ルールを守らない住民に、ルールを守ってもらうことも可能になります。

自治体で導入してくれない場合は、自宅玄関前の監視カメラをゴミ置き場側に向けておくだけでも効果あり。近隣住民対策としては十分に効果が期待できます。

ハーブやハッカ油もバカにできない

筆者の自宅にはミントを植えていますが、その周辺にはあまり虫が寄りつきません。このようなハーブ類をゴミ置き場側の敷地に植えておくことで、一定の虫除け効果と、見た目や香りの爽やかさが期待できます。

ハッカ油など自然由来の香料も害虫の忌避効果があり、ゴミ置き場周辺にスプレーしておくとニオイを防ぐ効果も期待できます。

根本的な解決策ではありませんが、植物や自然由来の成分で、多少なりとも環境を改善する工夫ができます。

まとめ:ゴミ置き場で後悔しないためのポイント

希望の条件にあった一戸建てが見つかったけれど、目の前にゴミ置き場がある……。そういう事例は、決して珍しいものではありません。

夏場のニオイや害虫、資産価値への影響、そして何よりご近所トラブルなど、心配のタネは尽きないことでしょう。しかし、ゴミ置き場があるからダメと断言できるわけでもありません。

少なくとも、ゴミ置き場が近いのは雨の日にゴミ出しをするときに助かります。ゴミの出し忘れもなくなるでしょう。

また、これからのゴミ収集は「戸別収集」が主流になる可能性もあり、そうなるとゴミ置き場自体が将来的に不要になるかもしれません。専門家による論文でも、戸別収集とステーション収集で燃料消費量や走行距離に大きな差が出ない事例も報告されています。

一方で注意点もありますから、事前にしっかりチェックすることは大前提です。

特に重要なのは「自治会がきちんと機能しているか」「ゴミ捨てのルールが守られているか」の2点。ゴミ収集日の朝に現地を訪れ、ゴミ置き場の状況を確認すると、そのエリアでのゴミ出しの実情がわかるはずです。

そうは言っても悩んでしまう……。

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