一般的に、建売住宅の標準仕様には、網戸や雨戸(シャッター)、シーリングライト(室内灯)などは含まれていません。
生活に必要な設備の一部が「オプション」となっている点に注意が必要です。
この記事では、どんな設備がオプションとなっているのかを解説し、その選び方をガイドします。総予算の考え方や、住宅ローンへの組み込み方についても解説しますので、ぜひ最後までご確認ください。
この記事は宅建士資格を保有するアップライト合同会社の立石秀彦が制作しました。
建売住宅の「オプション」とは?なぜ別料金なのか
かつては建売住宅にも網戸や室内灯が標準で附属していましたが、現在では一般的にオプション扱いとなっています。
1990年代のバブル崩壊以降、建売住宅も価格競争の時代に入ったことがその理由です。標準仕様を必要最低限レベルまで簡素化することで、建物本体を安く見せようとするようになったのです。
したがって、現在の建売住宅を購入する場合は、本体価格のみで考えるのではなく「オプション工事を含めていくらか?」という計算をしておく必要があります。
そこで、まず具体的なオプション設備と、その価格を見ていきましょう。
「標準仕様」と「オプション」の違い
すでに解説したように、現在の建売住宅では価格戦略の都合上、オプション扱いとなっている設備も多く「まずは標準仕様とオプションを確認しておく」という姿勢が大切になります。
その点、「これは標準ですか?オプションですか?」という会話だけだと、営業担当者によって言い回しが違って誤解が起きかねません。確実なのは、書面でチェックしておくことでしょう。
重要事項説明書や物件資料の「設備表」「仕様書」などは必ず確認し、どれが標準仕様なのかを押さえておきましょう。
その上で、自分にとって必要なオプションは何かを考え、メーカー純正オプションを発注すべきか、さらに安い購入先を探すべきかを検討します。
入居までに必要なオプション費用の目安(総額100〜200万円)
上の動画で溝口社長が述べているとおり、建売住宅のオプション費用は「だいたい100万円あれば足りる」というのが目安。もう少し安くすませることもできますし、「あれもこれも付けたい」となるとキリがありません。
次の章では「必要度別のオプション一覧」を解説していきますので、その中で自分に必要なオプション設備をイメージしてみてください。
そのうえで、ある程度の予算感を把握し、その予算内に収めるプランを考えてみると効率的です。
オプション工事は住宅ローンに組み込むことができる?
「オプションには100万円単位の費用がかかる」といわれると、どうやって予算を捻出しようかと悩まれるかもしれません。
しかし、動画で説明しているとおり、今は「オプション費用も住宅ローンに組み込んでしまう」という支払い方が一般的。
そのため、必ずしも現金を用意しておく必要はありません。
ただし、住宅ローンの審査についてはケースバイケースですから、詳しくは仲介に入る不動産会社もしくは住宅メーカーの営業担当に相談してみてください。
【優先度別】建売住宅のオプション一覧&相場価格リスト

例えば、生活に必須となるオプションだけを選ぶ場合、ある程度費用を抑えられます。シーリングライト(室内照明)、カーテンレールとカーテン、テレビアンテナ、網戸といった必要最低限の設備であれば、50万円程度に収まる可能性もあります。
一方、建売住宅であっても、マイホームに快適性や効率性や趣味性を求める方の場合は、オプション費用が400~500万円に達することも珍しくありません。
意外と高額になってしまうこともありますから、ここでいったん「どんなオプションが必要で、予算はいくらか?」を確認しておきましょう。
優先度S:ないと生活できない「必須のオプション設備」
| 設備項目 | 費用相場(概算) | 技術的・価格的解説 |
|---|---|---|
| カーテンレール | 5,000円〜1万円/1窓 | 全窓(10〜15箇所)設置で5万〜15万円。装飾レールの有無、房掛けの設置費用などが加算される。DIYでは失敗リスク(水平垂直の狂い、下地不足)もあるためプロに依頼した方が安全。 |
| 網戸 | 4,000円〜1万円/1枚 | 全窓設置で10万〜15万円。標準仕様から外されていることが多く、特に防火地域用の網入りガラス対応や、プリーツ網戸(収納式)は高額になる傾向。 |
| テレビアンテナ | 5万円〜11万円 | 設置形式(八木式、デザイン、ユニコーン)および4K/8K対応の有無で価格が大きく異なる。ブースター設置がほぼ必須となるため、本体価格+2〜3万円の実勢価格を見込む必要も。 |
| 照明器具 | 5,000円〜2万円/1箇所 | 引掛シーリング(カチット式)であれば安価だが、ダウンライトやブラケットライトなど電気工事士の資格が必要な直結工事を含む場合、施工費がアップ。 |
建売住宅を購入した時点では、一部の生活に必要な設備が附属していません。そこで、次のような設備を購入する必要があります。
カーテンレール
カーテンレールはピンキリで、ホームセンターでは激安のものも手に入ります。ただ、安いものは強度的に心配ですし、デザイン面もよくありません。
できればメーカー、または専門業者に発注して、オプション工事で取り付けてもらってください。そもそも高価なものではありませんから、ここでグレードを落としても、あまり節約効果が期待できません。
網戸も一部メーカーをのぞきオプション扱い
昔は建売住宅にも網戸が標準で付いていましたが、最近ではオプション扱いとなることが普通です。一枚一枚はそこまで高くないのですが、全部の窓に付ける必要があるので、まとまるとそこそこの値段になります。
節約するとしたら、ホームセンターなどで調達する方法もあります。ただし、メーカーオプションは価格が高いものの、ある程度安心感がある点は見逃せません。
| 依頼先 | 費用目安(全窓) | 特徴 |
|---|---|---|
| 売主・販売会社(オプション) | 15万〜25万円 | 引渡し時に設置済みで手間なし。割高だが、サッシ純正品でフィット感・色味が確実。住宅ローンに組み込める場合も。 |
| サッシ・ガラス専門店 | 10万〜18万円 | プロの採寸で安心。純正品や同等品を少し安く入れられる。入居後の施工になることもある。 |
| ホームセンター | 10万〜15万円 | 価格は抑えめだが、採寸や取り付けの精度は担当者や下請け業者に左右される。 |
| DIY(ネット通販) | 5万〜8万円 | 最安だが、採寸ミス=自己責任。「すべり出し窓」用のロール網戸などの取り付け難易度が高い。 |
シーリングライトはネットでも買えるが選び方に注意
建売住宅の場合、シーリングライト(室内等)が附属していないのが一般的。もちろん、安く上げるならホームセンターや電気店で購入できますが、選び方にはコツがあります。
まず、全体的に部屋の大きさよりもワンランク余裕のある製品を選ぶこと。たとえば8畳の部屋なら「10~12畳用」を選ぶほうがいいでしょう。
LEDも経年劣化で少しずつ暗くなりますし、フルパワーで使うより、やや調光(明るさを落とす)して使う方が省エネになります。
また、寝室には昼光色(青白い光)と電球色(オレンジ系の光)を切り替えられるものがおすすめです。就寝前にリラックス効果の高い電球色に切り替えると、就寝しやすいというメリットがあります。
一方、リビング(食卓)にはRa90以上の高演色性の製品がおすすめ。料理が美しく見え、食欲が増す効果が期待できます。
テレビアンテナ
最近では、平面アンテナ(平形の箱タイプ)が主流で、予算は3~5万円程度。見た目はかっこいいのですが、取り付け位置が低いため、性能面では八木式アンテナに劣るようです。
もし、電波状況によりアンテナ取り付けが難しい場合は、光テレビが安心でしょう。ランニングコスト(月1000円前後)はかかりますが、電波障害に強く安心して利用できるメリットもあります。
もしメーカーオプションが高いと感じる場合は、街の電気屋さんで相見積もりを取ってみるという手もあります。
優先度A:入居前に施工すべき「おすすめオプション」
| 設備項目 | 費用相場(概算) | 技術的・価格的解説 |
|---|---|---|
| エアコン | 7万円〜25万円/1台 | リビング用の大容量モデル(20畳用等)は20万円を超える。量販店モデルと住宅設備モデルでは型番が異なり、隠蔽配管や化粧カバーの施工品質で価格差が生じる。 |
| 食洗機(ビルトイン) | 10万円〜20万円 | 後付けの場合、キッチンキャビネットの解体や給排水工事が必要となるため、新築時のオプション導入が最もコスト効率が良い。面材(扉の色)をキッチンと合わせる場合、追加費用が発生。 |
| カップボード | 15万円〜30万円 | 家具店で購入する置き型と比較し、耐震固定や壁面との隙間埋め(フィラー処理)、面材の統一が可能。メーカー純正の強みが発揮される分野。 |
| 床暖房 | 60万円〜250万円 | 15畳程度を想定。温水式(ガス・ヒートポンプ)か電気ヒーター式かでイニシャル・ランニングコストが異なる。床材の張り替えを伴わない新築時導入が前提となる設備。 |
ここでは、ないと生活できないとまではいえないものの「あると助かる」設備について検討していきましょう。予算感は、上の表の通りです。その中で、自分に必要なオプションを選んでいくことになります。
エアコンはほぼ必須のアイテム
地球温暖化の影響か、暑い夏が続いています。もはやエアコンは必須の設備となっており、住宅購入時に設置しておくのが安心です。
賃貸マンションなどと違い、一般に一戸建てのリビングは広々としている事が多く、エアコンも大型のものが必要となる点は注意が必要です。
また、性能(省エネ性能やAI制御など)によって価格が大きく異なるのも悩みどころです。考え方としては、長時間稼働するリビングのエアコンは上位機種としておき、使用時間が短い寝室や子ども部屋などは標準モデルを選ぶのがセオリー。
ビルトイン食洗機もぜひ追加したいオプション
さまざまなアンケート調査でも、ビルトイン食洗機の満足度は高く、導入しても後悔しにくいオプションといえます。
一般的には、リンナイやパナソニックなどの国内メーカー製の100V仕様の製品が選ばれています。やや洗浄力は弱めですが、それでも家事の時短につながる便利なアイテム。予算を無理にあげて、高出力(200V仕様)の海外メーカー製を選ぶより、国内メーカー製で食器がたくさん入るものを選ぶのがおすすめです。
予算は10~20万円程度と幅がありますが、寿命が10年程度なので、あまり高いものを選ばなくても良いでしょう。
細かい見た目が気になる場合はカップボードのオプションも検討したい
カップボードは家具屋さんで購入しても、機能面では十分です。ただ、オプション工事でカップボードを付けてもらうと、耐震金具で固定してもらえたり、すき間なくぴったりと収まるというメリットがあります(フィラー処理)。
見た目を重視する場合はオプションを発注、コスト重視ならニトリなどで別途購入するといいでしょう。
優先度B:生活スタイルに合わせて検討したい「快適オプション」
| 設備項目 | 費用相場(概算) | 技術的・価格的解説 |
|---|---|---|
| カーポート | 20万円〜100万円 | 1台用か2台用か、耐風圧・耐積雪強度によって価格が激変する。建築確認申請が必要なサイズの場合、申請費用も考慮する必要も。 |
| バルコニー屋根 | 5万円〜20万円 | 洗濯物の雨除けとして需要が高いが、外壁へのビス止めが必要となり、防水保証上の重要管理ポイントとなる。 |
| シャッター(雨戸) | 6万円〜10万円/1箇所 | 防犯・防災目的。手動か電動かで価格差が大きい。後付けは外壁工事を伴うため高額化しやすい。 |
| 面格子 | 2万円〜4万円/1箇所 | 1階の浴室、洗面所、トイレ等の小窓に設置。防犯上の必須アイテムとされる。 |
| スマートキー | 2万円〜10万円 | シリンダー交換型か、ドア一体型かによる。利便性と防犯性の両立から採用率が急増している。 |
| フロアコーティング | 15万円〜50万円 | UV、ガラス、シリコン等の種類により耐久年数(10年〜30年)と価格が比例する。施工面積(LDKのみか全室か)によっても総額が変わる。 |
| EVコンセント | 4万円〜40万円 | 単なるコンセント増設なら安価だが、分電盤からの専用回路敷設、V2H対応、スタンド設置を含めると高額になる。 |
ここにあげた設備は、なくてもなんとかなります。ただ、シャッター(雨戸)は必需品に近いものだといえるでしょう。台風時など、どうしても雨戸を閉めておきたい場合もあります。
一建設など一部のメーカーでは、シャッターが標準装備ともなっていますから、お客さんの要望が多いことがうかがえます。
注意したいのは、フロアコーティング。昔の床材に比べてコーティングの必要性は薄れているため、使用している床材とマッチするコーティング方法を確認する必要があります。
リセール時に「売却価格が上がる」オプションはどれ?
実際のところ「将来売ることになったら、売却価格が上振れしやすいオプションは?」というのは難しい問題です。
ビルトイン食洗機などは人気がありますが、製品寿命は10年以内。売却時には、交換時期にさしかかっているからです。IoTやAIを活用したスマートホーム設備も、すぐに古くなってしまいます。売却査定時にプラスになるとは考えにくいでしょう。
とはいえ、床暖房(フローリング暖房)は比較的寿命が長く、売却査定時にプラスになる可能性があります。早期契約で「多少の間取り変更が可能」という場合は、収納を増やしておくのもプラスになります。
予算が許せば、外構の駐車場を拡張して、駐車2台を確保しておくのも有効です。
ただし、全般的に「将来の売却時に価格が上がる」オプションは少なく、その点についてこだわりすぎない方がいいでしょう。
オプション工事を誰に頼む?「売主」vs「外部業者」の比較

オプション工事の発注先は、大きく分けて二つあります。一つは売主である建売業者に発注する方法、もう一つは外部の専門業者に個別に発注する方法です。
どちらにも一長一短があり、「予算を最優先するなら外部業者」「手間をかけたくないなら売主」という判断が基本となります。ただし、設備によっては売主に発注すべきケースもありますから、それぞれのメリット・デメリット踏まえて判断してください。
売主(ハウスメーカー)純正オプションのメリット・デメリット
売主にオプション工事を発注する最大のメリットは、引き渡し時にすべてが完了している点です。
また、住宅ローンに組み込みやすい点も見逃せません。現金を用意する必要がなく、月々の返済に分散できるのは大きな利点です。
さらに、責任の所在が明確である点も安心材料となります。万が一オプション工事に不具合があった場合でも、売主に一括して対応してもらえるため、トラブル時の窓口が一本化されます。
一方で、価格が割高になりやすい点は気になります。メーカー純正オプションの場合、同じ設備でも外部業者より2~3割高くなることもあります。
外部業者(リフォーム会社・量販店)への分離発注のメリット・デメリット
外部業者に発注する最大のメリットは、価格が安くなる可能性がある点。複数の業者から相見積もりを取ることで、さらに費用を抑えられます。
ただし、引き渡し後に工事を行う場合もあり、入居までに時間がかかります。
注意したいのは、トラブル時の責任区分が複雑になる点です。たとえば、外部業者が施工したエアコンの配管工事で、建物の防水処理に不備が出た場合、売主と外部業者のどちらに責任があるのかが曖昧になるかもしれません。
純正工事と外部業者を使い分けるのがおすすめ
筆者は、建物の保障に関わる部分は純正オプション、それ以外の部分は外部業者に頼むという切り分けをおすすめします。
カベに穴を開けるエアコンや床暖房など、比較的リスクの高い設備については純正オプションを選択し、責任の所在を明らかにしておくと安心です。「床暖房を施工したら建物からきしみが発生した」といった場合、メーカーに全責任を負ってもらうことができます。
ユニットバスの水密性に影響する浴室乾燥機の設置なども、メーカーオプション一択と考えていいでしょう。
一方、照明やカーテンレールなどリスクの低い設備については外部業者に発注する実益があります。
建売オプションに関するよくある質問(FAQ)

最後に、この章ではよく聞かれる質問をQ&A形式でまとめました。
Q. オプション工事の値引き交渉はできますか?
オプション工事単体での値引きは、あまり現実的ではありません。オプションはそれほど大きな予算にはならないため、値引き幅も小さく、そもそも値引きに応じられない場合も多いという背景があるからです。
むしろ、物件価格の交渉時にダメ押しで「これ以上値引きできないなら、何かオプションを無料で付けてもらえないか?」という方向で検討するのが現実的。それなら、建物全体の利益を少し削って「オプションを無料(または格安)でつけてもらう」という交渉が現実的になります。
なるべく早め早めに対策を考え、効果的な価格交渉を行ってください。
Q. 自分でDIYできるオプションはありますか?
ホームセンターで網戸を買ってきて自分で付ける、といったDIYも不可能ではありませんが、時間と手間を考えると現実的ではありません。
また、カベに穴を開ける(躯体を触る)ようなDIY工事はメーカー保証が受けられなくなる可能性もあるため、ぜひ避けたいものです。
ただし、シーリングライト(室内灯)の取り付け程度であれば、難しいものではありません。電気店やホームセンターで好みのシーリングライトを購入し、取り付けるのもよいでしょう。
まとめ|優先順位をつけて、賢く予算配分をしよう

建売住宅のオプション費用は総額100万円程度が目安となります。網戸、カーテンレール、室内灯、テレビアンテナといった生活必需品から、エアコンや食洗機などの快適設備まで、優先順位をつけて計画的に選ぶようにしてください。
オプションの手配を忘れていると、入居前後に「あれも足りない、これも必要だった」とあわてることになります。
ただし、オプションも住宅ローンに組み込めるため、必ずしも現金を用意する必要はありません。
建売住宅の本体価格だけで判断するのではなく、オプションを加えたトータルコストを考え、住宅ローンの契約(金銭消費貸借契約)を進めるようにしましょう。
オプション費用を含めた総額で資金計画を立てておけば、安心して新生活をスタートできます。また、早期にオプションを考えておくことで、建物価格の交渉時に「オプションを含めた価格交渉」も可能になります。
そこで物件見学の際には、必ず「設備表」や「仕様書」で標準仕様とオプションを確認してください。そのうえで、ご自身の生活スタイルに合わせた優先順位を決め、早めに資金計画を立てることをおすすめします。
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