目の前の道路が「私道」か「公道」かを見分ける最も確実な方法は、各市町村がネットで公開している「指定道路マップ」を見るか、役所の窓口で直接確認することです。
手っ取り早く「指定道路マップ」を探す場合は、以下の空欄に「調査したい市町村名」を入れてボタンをクリックしてください。
指定道路マップを検索する
しかし、不動産取引における本当のゴールは、所有者の違いを見分けることではありません。見分けた後に、「その道に接している土地に、本当に家が建てられるかどうか(建築基準法上の道路か)」を確認することです。
ここを忘れてしまうと、購入後に家が建てられない、あるいは高額な通行料を請求されるなどの重大な損失につながります。
本記事では、宅建士である筆者が実務で行っている「私道と公道の確実な見分け方」に加え、不動産を安全に購入・活用するために絶対に知っておくべき権利関係の注意点を解説します。
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この記事は宅建士資格を保有するアップライト合同会社の立石秀彦が制作しました。
私道か公道かを見分ける2ステップ

道路が私道か公道かを見分けることと、「家が建てられるか」は別問題。公道であっても建築確認が下りない道路もありますし、私道であっても建築が認められるケースもあります。
それを前提に、この章では「私道か公道か」を見分けつつ、「結論として建築できるのか?」を確認する方法を解説します。
私道・公道を見分けるには、次の2ステップで確認します(この方法なら建築可否も確認可能)。
- ネットの指定道路マップで概要をつかむ
- 必要に応じて役所窓口で確認する
上記の流れです。おおまかに調査する場合は①のネット調査だけでもかまいません。しかし「その土地を買うべきかどうか」という重要な判断の前には、②の役所調査が必須です。
Googleマップでは調べられません
ネットの一部記事で「Googleマップで公道か私道かを見分けられる」と書かれていますが、これは完全に誤りです。Googleは道路の太さや舗装状況などから色分けをしており、私道か公道かはいっさい調べていません。宅建士の実務でもGoogleマップを利用することはありません。ご注意ください。
ネットで市町村の「指定道路マップ」を確認
最初のステップは、各自治体がウェブ上で公開している「指定道路図(しているどうろず)」を確認すること。自治体によっては整備されていない事がありますが、公開している市町村がどんどん増えています。
調べ方はシンプルで、Google などの検索エンジンに「〇〇市 指定道路図」または「〇〇市 道路種別図」と入力するだけです。多くの自治体がGIS(地理情報システム)と連携したマップをネット上で無料公開しており、地図上で道路の種別を色分け確認できます。
たとえば東京都下であれば「都市計画等インターネット提供サービス」、横浜市であれば「横浜市行政地図情報提供システム」内の「よこはまのみち」で確認が可能です。
都市計画等インターネット提供サービス|東京都都市整備局
横浜市行政地図情報提供システム|横浜市
ただし、自治体によっては掲載情報が古かったり、細街路(さいがいろ)が未登録だったりするケースもあります。あくまで初期調査で「あたりをつける」ための参考として活用し、最終判断は次の窓口確認で行ってください。
市町村の窓口で確認(最も確実な方法)
ネット調査だけでは心もとない場合、あるいは購入を真剣に検討している段階では、必ず役所の窓口へ足を運ぶことをお勧めします。宅建士の実務でも、必ず役所調査を行います。
訪問先の窓口は、都市計画課、道路管理課等の名称です(自治体により異なります)。
役所の窓口では「この住所の前面道路について調べたい」と伝えれば、担当者が「指定道路台帳」や「道路台帳図」をもとに回答してくれます。費用は無料で、所有者でなくても調査可能です。
各自治体の建築指導課の窓口情報については、それぞれの市区町村公式サイトでご確認ください。
一般ユーザーが道路台帳まで調査する必要性は薄い場合も多い
ネットの記事で私道か公道かを見分けるには「道路台帳をチェックすべき」と書かれているケースが多いのですが、これも誤りです。
宅建士の実務では、道路台帳も調査するのですが、これは公道か私道かを見分けるためではありません。道路幅員等を調査し、現況幅員と付き合わせることが目的です。
ただし、一部例外もあります。
多くの都道府県では、管理台帳上の幅員と現況の道路幅員がずれていても建築可否に影響しない場合が多いのですが、一部都道府県ではシビアな問題になり得ます。
たとえば沖縄県では、たとえ建築基準法42条1項1号の道路(公道)であったとしても、現況幅員が4m未満の場合、建築許可がおりません。
こういった都道府県に限り、道路台帳の調査は、一般の方であってもマストだと考えます。それ以外のケースでは、詳細な調査を建築士さんや不動産会社の宅建士に任せておいても問題ないでしょう。
公図や登記事項証明書で「所有者」を確認

指定道路マップで概況を把握したら、次は「誰の土地か」を確認します。この場合最も確実なのは、法務局で取得できる「公図」と「登記事項証明書(全部事項証明書)」を確認すること。現在は、公図や登記簿をオンラインで取得することも可能です。
登記簿等をオンラインで取得するには?
オンラインで登記簿等を取得する場合は、民事法務協会の登記情報提供サービスを利用します。以下のURLにアクセスし、ガイドに従って操作し、カードで決済するとその場でダウンロード(PDF)できます。ただし、初心者には難しいため、まずは法務局の窓口に足を運ぶことをおすすめします。
公図にはいろいろな種類がある
私たちが慣習的に「公図(こうず)」と呼んでいるものには、実は2種類あります。
まず、本来的な意味での公図。本当は「地図に準ずる書面」と呼びます。これは明治時代の「地租改正」の際に作成された「旧土地台帳附属地図」などをルーツとする、精度の低い地図。
一方、現在の測量技術を用いて制作された、ある程度精度の高い地図もあります。こちらは「14条地図」と呼びます。
とはいえ、所有者を調べる目的であれば、どちらの地図でも問題ありません。ここでは、ざっくり「公図」としてひとくくりに解説していきます。
法務局での取得手順(ステップバイステップ)
Googleマップなどで「法務局」と検索し、最寄りの法務局を探してください。公図や登記事項証明書を取得するだけなら「とりあえず最寄りの法務局」に出向けば問題ありません。
ただし、エリアによっては古い和紙公図を閲覧したり、閉鎖登記簿の写しを請求するなど突っ込んだ調査が必要になるケースもあります。それにそなえて、管轄法務局に行くのがベストです。
管轄法務局は、以下のリンク先から探すことができます。
各法務局のページ|法務局
上記ページで地方法務局を選んだ後「登記管轄一覧」をクリックすると、管轄内かどうかが分かります。
地番をブルーマップで調べて用紙に記入
法務局には住所から地番を探せる「ブルーマップ」が備え付けられているので、それを見て「地番」を確認します。
地番(ちばん)とは、法務局が「土地の一筆(区画)」ごとに割り振った、土地を特定するための識別番号です。
人間でいう「マイナンバー」や、商品の「管理番号」のようなものだと考えるとわかりやすいかもしれません。郵便が届く住所とは異なる場合も多いので、ブルーマップで付き合わせ、調査します。
登記事項証明書交付請求書の書き方

不動産の登記事項証明書を請求する場合は、黒色の用紙を使用します。
「□土地」にチェックを入れ、さきほどブルーマップで調べた地番を記入してください。あとは自分の住所・氏名を記入し、用紙の下の方にある「□登記事項証明書・謄本」にチェックを入れて提出します。印紙は、窓口の人から値段を聞いてから購入し、貼付します(だいたい同じ室内に印紙の販売所があります)。
地図等の証明書交付請求書の書き方(公図)

公図も黒色の用紙(少しだけ異なる様式)を使用します。自分の住所氏名や地番を記入するところまでは同じですが、用紙の下の方の書き方が少し異なります。
上図の「□証明書」をチェックし、「□地図・地図に準ずる書面(公図)」にチェックを入れて提出してください。公図が見つかったら(ごくまれに存在しない場所もあります)、窓口の人が料金を教えてくれるので、その金額の印紙を貼って提出します。
このように、わからない点を教えてもらえるので、慣れない方はネット取得より法務局窓口のほうが安心です。
何でも聞いていいわけではない
かつて法務局といえば、無愛想な役所の代名詞でした。最近では窓口業務を民間にアウトソーシングしていることもあり、かなり親切になっています。不明点を教えてくれる場合も多く「親切な役所」というイメージに様変わりしました。しかし、窓口で何でも聞くのは考え物。この記事などを参考に、手順を理解した上で「わからない点だけ尋ねる」という準備をしておいてください。
登記事項証明書と公図からわかる道路種別
本来、法務局の資料は道路種別を判定するためのものではありません。不動産取引の安全と円滑化が目的です。どの不動産を誰が所有していて、どんな権利(抵当権など)が付着しているかを公示するもの、といえます。
しかし、そこからも、道路種別や状況を、ある程度類推することができます。
また、私道の場合「所有者を特定する」という目的でも活用できます(こちらは本来の目的に近いですね)。
登記事項証明書等でわかる事
| 公図の状態 | 判定の目安 |
| 地番の記載がない(空白) | 里道(りどう)・水路など旧法定外公共物の可能性あり |
| 地番があり、所有者が国・都道府県・市町村 | 公道(道路法上の認定道路)の可能性が高い |
| 地番があり、所有者が個人・法人 | 私道の可能性が高い |
地番がない場合は「里道」の可能性あり
公図を見て、道路と思われる部分に地番がない場合は、「里道(りどう)」または「水路」である可能性があります。里道は「赤道(あかみち)」とも呼ばれ、国(財務省所管)または市町村が管理しています。難しい言葉でいうと旧法定外公共物です。
見た目はアスファルト舗装されていて公道のように見えても、里道は道路法上の「認定道路」ではないことも多く、建築基準法上の道路として認められないケースがあります。
里道に接した土地を購入した場合、「再建築不可(さいけんちくふか)」の判定が出るリスクがあります。市町村役場窓口での確認を、必ず行ってください。
地番がある場合(公道・私道どちらもあり得る)
公図を見て、地番の記載がある場合は、次のステップとして登記事項証明書で所有者を確認します。地番があるからといって必ずしも公道とは限らず、個人や法人が所有する私道である場合も考えられます。
逆に、地番があって、なおかつ所有者が「国(国土交通省など)」「〇〇県」「〇〇市」などの自治体名義であれば、公道(市道・都道など)である可能性が高いといえます。
登記事項証明書で所有者が国・自治体か個人かを調べる
公図で地番を確認したら、その地番をもとに「登記事項証明書(全部事項証明書)」を確認します。登記事項証明書には、その土地の所有者名が明記されています。
- 所有者が「国土交通省」「〇〇都」「〇〇市町村」 → 公道(道路法の認定道路)の可能性が高い
- 所有者が個人名・法人名 → 私道の可能性が高い
- 所有者が複数の個人(共有) → 分譲地内の私道によく見られる形態
ただし、私道であっても、建築基準法上の道路に該当する場合もあります。
一方、所有者が国や県の「非道路」も多いので、断言まではできません。たとえば港湾の敷地内に設けられた港湾道路、林道、農道、公園内道路は、建築基準法上非道路となる可能性があります。
次章で詳しく見ていきましょう。
「公道だから建築できる」とは限らない

ここは本記事でも重要なポイントです。
所有者が国や自治体であっても、それだけで「家が建てられる道路」とは判断できない……これは大きなつまずきポイントです。
不動産実務では、「道路の所有(公道・私道)」と「建築基準法上の道路かどうか」をまったく別の軸で考えます。
この2つの軸を混同したまま土地を購入してしまうことは、「取り返しのつかないミス」の最大の原因といえるでしょう。
家を建てるための絶対条件「建築基準法上の道路」とは?
建築基準法では、家(建築物)を建てるための道路について、以下の2つの条件を定めています(建築基準法第42条・第43条)。
①道路幅員4m以上
前面道路の幅が4m以上なければ、原則として建築基準法上の道路とは認められません(自治体により取り扱いの違いあり)。
②接道義務
2m以上の接道 建築物の敷地は、上記の道路に「2m以上」接していなければなりません(建築基準法第43条)。旗竿地(はたざおち)のような形状で、竿の部分の幅が2m未満の場合は、接道義務を満たしていないと判定されます。
(参考)国土交通省:建築基準法制度概要集
公道でも家が建てられないケース
「公道に面しているから安心」と考えてしまいがちですが、以下のケースでは公道に面していても建築できない場合があります。
① 接道幅が2m未満の場合

土地が公道に接していても、接している長さが2m未満であれば接道義務違反となり、建築確認がおりません。旗竿地や奥まった土地では特に注意が必要です。ただし、都道府県等により取り扱いが大きく異なるので、必ず役所で確認してください。
② 道路幅員が4m未満の場合(2項道路とセットバック)

古い住宅地によく見られますが、幅員が4m未満でも「昔から家が立ち並んでいた道」については、建築基準法42条2項による道路(いわゆる「2項道路」)として指定されている場合があります。この場合、建築の際に「セットバック」(道路の中心線から2m後退して建てること)が必要になります。セットバック分の土地は「道路として提供する」ことになるため、実質的な敷地面積が減ります。購入前に、現況の幅員とセットバックの要否を必ず確認してください。
③ 道路法以外の法律で管理されている道路(港湾道路・農道・林道など)

見た目が立派なアスファルト舗装の公道であっても、それが「道路法」ではなく「港湾法」「土地改良法」「森林法」など、別の目的で造られた道である場合は要注意です。こういった道路は物流や農業振興を目的としており、人が安全に住むための「建築基準法上の道路」として認定されていないケースもあります。
公道でも里道だった場合に追加調査すること
先述のとおり、地番のない「里道」は見た目が公道でも、道路法上の認定を受けていないことが多々あります。
里道に接する土地を調査する際は、以下の点を追加確認する必要があります。
①建築基準法43条2項2号認定・許可(旧43許可)
里道は建築基準法上の道路ではありませんが、特定行政庁(市区町村または都道府県)が個別に「建築しても支障がない」と判断した場合に限り、例外的に建築許可(43条許可ともいいます)が下りるケースがあります。ただし建築審査会による審査等が必要であり、必ず許可が取れるとは限りません。
②里道の払い下げ(はらいさげ)手続きが可能か
里道を国(財務省所管)から買い取り、敷地に取り込む手続きを「払い下げ」といいます。手続きは可能ですが、財務局との交渉・測量・登記など相応の費用と時間がかかります。
私道でも建築基準法上の道路に該当するケース
私道だからといって、必ず「家が建てられない」わけではありません。私道であっても、建築基準法42条1項5号にもとづく「位置指定道路(いちしていどうろ)」として特定行政庁の指定を受けていれば、公道と同じように建築が可能です。
分譲地内の私道がこれにあたるケースが多く、筆者の実務経験では、住宅街の袋小路の道路の多くが位置指定道路です。
私道でも公道扱いになり家が建つ「位置指定道路」とは?
位置指定道路とは、開発業者や土地所有者が特定行政庁(市区町村など)の指定を受けた私道のことです(建築基準法42条1項5号)。
指定を受けるためには、幅員4m以上・一定の構造基準を満たすことなどの条件が必要です。指定を受けた私道は、建築基準法上は公道と同等に扱われ、接道義務を満たす道路として認められます。
ただし、実務上の注意点として、道路の維持管理義務は私道所有者が負担することになります。たとえば道路下の水道管が老朽化して破損した場合、市町村は修繕してくれないことが一般的。私道所有者全員で費用を負担する必要があります。
なお、自治体によっては私道整備に対して助成金制度を設けている場合があります。購入前に「この自治体に私道補修の助成制度があるか」を確認しておくと、将来のコスト計算に役立ちます。
建築基準法上の道路かどうかを役所で確認するときの聞き方
建築基準法上の道路種別を確認する際、役所の建築指導課では以下の「キラーフレーズ」を使うと、担当者がスムーズに回答してくれます。
「この道路は、建築基準法42条何項の道路ですか?」
42条1項1号の道路と2項道路では、注意点が異なります。
2項道路の場合、あわせて以下の点も確認すると、調査がより確実になります。
「セットバックの指示はありますか? あれば後退距離を教えてください」
確認できる書類としては、「指定道路図(道路種別図)」と「道路台帳図」が主なものです。どちらも閲覧・写しの交付を申請することができます。
(参考)国土交通省:建築基準法の道路に関する技術的基準 / e-Gov法令検索:建築基準法第42条・第43条
FAQ|私道と権利についてのQ&A

私道に関するトラブルや疑問は多岐にわたりますが、ここでは代表的な4つのケースについて概要と結論を簡潔にお伝えします。詳細は各リンク先の専門記事をご参照ください。
私道で通行掘削承諾書がもらえないときの対処法は?
令和5年(2023年)4月施行の改正民法(第213条の2・第213条の3)により、「ライフライン設置のための他の土地の使用権」が明文化されました。設置が必要で、かつ損害が最も少ない方法であれば、原則として所有者の承諾を得なくても水道管などを設置・使用できるようになっています。ただし「事前通知(原則2週間程度)」と「償金(補償金)の支払い」は必要です。
法律上は強行可能でも、近隣関係への影響を考えると、まずは法改正を背景に落ち着いて交渉し、それでも解決しない場合の「最終手段」として法律を活用する、というバランス感覚が実務では重要です。
(詳細:→「通行掘削承諾書がもらえない場合の対処法」記事へのリンク)
私道で所有者が不明な場合の調査方法・対処法は?
改正民法により、「所有者不明土地管理制度」が新設されました(令和5年4月施行)。所有者が不明な場合でも、裁判所に申し立てることでその土地に特化した「管理人」を選任してもらえます。また、共有者の一部が行方不明でも、裁判所の許可のもと、判明している共有者の持分過半数で管理上の決定(工事・補修など)が可能になっています(民法第252条の2)。
袋地だった場合の囲繞地通行権と費用相場は?
袋地(道路に直接接していない土地)には、公道へ出るために隣接地を通行できる「囲繞地通行権(いにょうちつうこうけん)」が法律上当然に認められています(民法第210条)。通行料については、「社会通念上相当な範囲」を超える請求は裁判例でも認められない傾向にあります。費用相場は立地や状況によって異なりますが、過度な「ハンコ代」要求への法的な対抗手段は整備されてきています。
(詳細:→「囲繞地通行権の費用相場と手続き」記事へのリンク)
「私道持分なし」で土地を売却する方法・相場は?
私道の持分がない土地は、一般的に市場価格が低く評価される傾向があります。ただし通行・掘削に関する承諾書が取得済みであること、または覚書(おぼえがき)が整備されていることで、売却のハードルを下げることは可能です。買い手への丁寧な説明と、権利関係を整備した上での売却戦略が鍵になります。
(詳細:→「私道持分なしの土地売却方法」記事へのリンク)
まとめ|見分けるだけでは不十分。購入前に建築可否と権利関係を確認

最後に、本記事の要点を振り返っておきましょう。絶対に押さえておきたいのは「私道か公道かは、見た目だけでは判断できない」という点。たとえば、上の写真の道は工場敷地内を通っており、私道のようにも見えます。
しかし、倉敷市が公開している「倉敷市統合型GIS」で確認すると、図のように「建築基準法上の道路(二項道路)」であると判断できます。

ですから、以下のポイントを押さえて、必ず指定道路マップ(ネットまたは役所窓口)で確認するようにしてください。
①見分けの基本は「指定道路マップ」+「役所窓口」の2段階
ネットの指定道路図で概況をつかみ、建築指導課・道路管理課で正式確認するのが最も確実な方法です。
②「所有(公道・私道)」と「建築基準法上の道路かどうか」は別の問題
公道だから建てられる、私道だから建てられない、という判断は誤りです。それぞれ独立して確認が必要です。
③役所では「42条何項の道路ですか?」と聞く
この一言で、担当者が正確な道路種別を教えてくれます。ここで「42条の道路に該当しません」と言われたら要注意。原則として建築が認められないため、例外的な要件を探す難しい調査になります。
④里道・2項道路・位置指定道路は特に注意
見た目や所有者だけでは判断できないケースが多く、必ず建築基準法上の確認が必要です。
⑤令和5年改正民法で私道トラブルの解決難易度は下がった
所有者不明・承諾拒絶といった問題に対し、法的な解決ルートが整備されています。ただし近隣関係に配慮した「段階的なアプローチ」が実務では有効です。
物件調査・購入相談はクラシエステートへ(東京都・周辺地域対応)
道路の調査は、正確に行えば建築可能性の判断はできます。しかし実際の取引では、道路以外にも「越境・地盤・隣地との境界」など複合的な確認が必要です。
「調査に時間をかけられない」「ひとりで判断するのが不安」という方は、ぜひクラシエステートの無料相談をご利用ください。
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注意事項 本記事の内容は、一般的な情報提供を目的としており、個別の物件や取引に対する法的判断・専門的助言ではありません。最終的な判断は、管轄の自治体(建築指導課・道路管理課)、法務局、または資格を持つ専門家(宅地建物取引士・弁護士・土地家屋調査士等)への直接確認をもとに行ってください。法令等は改正される場合があります。本記事の記載内容は2025~2026年時点の情報にもとづいています。